「悲劇のヒロイン」リング0 バースデイ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
悲劇のヒロイン
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貞子は何故、呪いを生む恐ろしい怪物になったのか。
忌まわしくも悲しい過去を描いた、文字通りの“誕生”の話である。
とある劇団に入っていた貞子。真面目な新人だが、何処か陰湿な貞子を、劇団員はヒソヒソ陰口を叩く。そんな時、看板女優が怪死、貞子に主演が回ってくる。音響効果係の青年の励ましに支えられるが…。
ホラーと言うより、「オペラ座の怪人」のような愛憎サスペンスと悲恋ドラマ。ドキッとする怖さは無いが、心地悪い薄気味悪さが漂う。
劇団員の激しい風当たりと偏見。
貞子と因縁のある女性記者の憎悪。
音響効果係の青年を慕う衣装係の少女の嫉妬。
秘めたる力がある特異な存在であっても内気な少女だった貞子を追い詰めていったのは、ドロドロ渦巻くドス黒い恨みや妬み。何より恐ろしい人間たちの姿にゾッとする。
そして、付きまとう母の影と“もう一人の貞子”。諸悪の根源であり、その存在に苦しめられ続ける。
青年は貞子を愛するが、成就する事なく…。
父に裏切られ、井戸に落ちていった。
死を招くほどの恐ろしい呪いは、悲惨な過去が生み出したものだった。
井戸に落ち、絶叫する貞子の姿は恐ろしいと言うより悲しさを感じずにはいられない。
貞子は悲劇のヒロインだったのだ。
後味悪く救いの無い内容だが、まだあどけなさが残る仲間由紀恵に魅了される。何て可愛い!!
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