劇場公開日 2000年2月26日

「18世紀のクラシックと泥臭さが渾然一体となった美術とデップの存在感が光るバートン監督の佳作」スリーピー・ホロウ Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

3.518世紀のクラシックと泥臭さが渾然一体となった美術とデップの存在感が光るバートン監督の佳作

2022年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

18世紀の終わり、オランダ移民の居住区の村を舞台に、魔女と首なし騎士と亡霊が繰り出す猟奇殺人事件に立ち向かうニューヨーク市警のジョニー・デップの命がけの捜査を描いたティム・バートン監督得意のユーモアタッチのあるサスペンスホラー映画。バートン監督には、良くも悪くも映画に遊ぶ余裕を感じる程に、映画を愛し、楽しみ、映画らしく映画にしている努力を買いたい。制作された20世紀から丁度200年前の時代設定の割り切った泥臭さとクラシックに非科学的な想像力を働かせて、犯人捜しの謎解き以上に怪奇映画の面白さを追求している。その完成度も高い。ジョニー・デップは役に嵌り、余りにもピッタリで、演技上の優れたところが却って目立たない不運に陥っている。他の役者では、主人公の存在感は出せなかったであろう。見所は、バートンの映画愛と斬新で幻想的な美術と装置、そしてデップの役に成り切った存在感。役者の経歴に残るデップの魅力を称賛したい。

Gustav