「作為が勝ち過ぎてか監督の情念が…」太陽の墓場 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
作為が勝ち過ぎてか監督の情念が…
大島監督の長編デビュー作「愛と希望の街」が
余りにも素晴らしかったので
「青春残酷物語」の次回作として
期待を込めて初鑑賞。
しかし、脚本か編集なのかは分からないが、
場面展開に切れがなく、
また背景を生かす描写には目を見張るものが
あるものの、
台詞の人物を追うカメラワークには
上手さを感じなかった。
そもそもがアウトローの映画は、
活劇としての面白さか、
登場人物の苦悩としての心象に
どこまで迫れているかとの点が
作品としての生命線かと思うのだが、
残念ながら、この作品では
両方とも感じ取ることが出来ない。
「愛と…」が心を打つのは、
長編デビュー作品として、多分に監督の
それまでの人生の蓄積が情念と化し、
それが脚本に上手く凝縮された結果だった
ように感じるが、
残念ながら2、3作目となった「青春…」
とこの作品では
監督の作為が勝ち過ぎて
上手くまとめきれなかったのではないかと
想像はしたのだが。
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