グリーンマイルのレビュー・感想・評価
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この映画において無駄なシーンは無いように思えた。確かに長い映画では...
この映画において無駄なシーンは無いように思えた。確かに長い映画ではあるが退屈に思えるような場面はどこを切り取っても無いと思う。
また今作の登場人物は印象的な人ばかりでそれも全く飽きさせなかった魅力だと感じた。それは主に看守と死刑囚の関わりから見てとれ、それがストーリーの軸を形成していたと言えるだろう。
この映画を観るまで気づかなかったが、この映画にはファンタジー要素が含まれていた。それがあったことには驚きはしたものの、この映画を悪くする要素では無いと思った。
この映画の中で一番際立っていて、なおかつ映画を引き立たせた人物はコーフィだと思う。「不思議な力を持って今まで生きてきて、それによって嫌なことまで見て、経験してきた彼にとって死はそれから逃れる唯一の手段」という事実を死刑という形で遂行してしまうのは、なんとも悲しい終わり方だった。
冤罪をテーマにしているようにも思えたので考えさせられる作品であった。
誰もが一度は観るべき映画だと思います。
神作品と言われる所以がわかる
死刑囚を収容する刑務所での話。神作品と言われる理由が解る。収録時間三時間以上だが、展開が上手いのでこちらを飽きさせることなく話が進む。冤罪や死刑制度の問題を考えざるを得ない作品。
デルの死刑シーンは目を覆いたくなった。頭部のスポンジを濡らさないと本当にああなるのか…?
鼠のミスター・ジングルスは99%のシーンを自分で演技したと言うから驚き。可愛すぎる。
奇跡を持ち出せばなんでもあり
看守から見た死刑制度への疑問みたいな問題提起かと思いきや、奇跡のオンパレードで拍子抜けした。ネズミとお爺さんは可哀想だった。パーシーもかわいそうだ。あんな徹底した悪人は普通いないので、リアリティに欠けていた。全体的に主題がとっ散らかっている。せっかく脳腫瘍を治してあげたのに、おばさんは黒人に対してなんだか上から目線で腹が立った。だいたい、無罪だとわかってるのに死刑を執行すること自体がストーリーありきで不当に感じる。あらゆる手は尽くしたけど無理だったみたいなことは言っていたけど、一度は外に連れ出せたんだから、逃がしてやることもできたんじゃないか。多分もう二度と見ないと思う。
治癒と医学を司る霊鳥か
ジョン・コーフィーのモチーフはカラドリオスかなと思います。
病人や死に瀕した者の治癒を行う神鳥。
面白いのは真っ白なはずのカラドリオスの能力と特徴を黒人の大男が持っている、と、キリスト教圏のカラドリオスのイメージをひっくり返しているところです。
そしてコーフィーはカラドリオスと違い、死の運命から逃れられない者をさっさと見限って飛び去っていく事はできず、ずっと泣いていました。そして復讐もしてしまいました。
彼は紛れもなく人間なんですね。
劇中、ポールはコーフィーは神の使いではないかと感じます。
伝承のカラドリオスだって神の奇跡だキリストの化身だ言われても、元はキリスト教圏外の、チドリ科の鳥が神格化された架空動物。
コーフィーもまた、(神の意志など関係なしに)ただこの世に人として生まれた生命に過ぎなかったのかもしれません。
ポールの長寿は呪いでも罰でもなく、コーフィーの善意なんだろうなと思います。
それが不老不死に憧れてもいない普通の人間であるポールには残酷だったというだけ。
哀しいヒューマンドラマです。
ネズミと共に。
トムハンクスの演技が素晴らしい最後の処刑シーンで、悲しむべき所では無い、これがコーフィーの願いだからという表情にグッときた。
物語の核がファンタジー色の強い作品ですが、上手く映画として描かれていたと思います。
テーマが理解されていない秀作NO1
人間はなんと利己的で醜いのか。
上司の美しい奧さんを助ける為には、色んなリスクを冒してコフィー(マイケル・クラーク・ダンカン)を檻から出していいように使う。しかしコフィーを無実と知りつつ死刑台に送ることは、「しょうがない」「本人が生きるのがつらいと言ってる」から等と、ポール(トム・ハンクス)を初め、刑務官達は何もすることもなく諦める。
あの頃の黒人を助けるすべはなかった?と、自分達を納得させる。
大部分の観客も、しょうがないと納得。無実だと知ってる人間を死刑台に送るのは、さぞや辛かっただろう!と涙ぐむ。そうなんだろうか?私はこの刑務官達の嫌らしさに、鳥肌が立った。何故、上司の美しい奧さんを助けた時のように、コフィーの為にリスクを冒さないんだ?
そして永遠の命を得たポールは、愛する者の死を見届け続ける。まるで罰のように。終わらない孤独。何故、ポールだけ罰を受ける?他の刑務官達は、安らかな死を迎えたのに?
本作は人間の身勝手さ、嫌らしさ、醜さ、世の理不尽さ、不条理さを描いた秀作であって、決して「無実の人間を死刑台に送った!俺たち(刑務官達)辛かった!」な、感動・号泣映画ではない
一見の価値アリ
率直な感想、、、感動しました。
僕はトムハンクス扮するポールの、パーシーに対する対応に学ぶものがあると思いました。なにかと失態をしでかすパーシーは一向に反省しない。そんなパーシーにポールの仲間たちは感情的になります。しかしポールは寛容性でもって受け止めます。
僕はこの何気ないシーンに感動しちゃいました。
すいません、完全に話の筋と違うところで感動してしまった僕ですが、内容はシンプルで最終的には涙を流してしまいました。
ので、一見の価値はあると思いました。
超絶に雑(笑)。
死刑囚の描き方は面白いのだが
総合:60点
ストーリー: 50
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 60
刑務所内の雰囲気や死刑を目前にした死刑囚たちの心境の描写とかは良かったのだが、どうもそれ以外で納得が出来ない。S・キングの原作は何がいいたいのかわからないことが時々ある。
マイケル・クラーク・ダンカン演じるジョン・コーフィの持つ超能力はいったい何? あれだけの力を持ち且つ人を助けることを厭わない性格であるならば、いくら差別の強い時代・地域とはいえ支持者・理解者が少なくとも同胞の黒人たちから出ていたでしょう。実際、白人の刑務官たちからすら短期間であれだけ支持されたわけだし、刑務所に入れられて初めて彼の理解者が出たというのがわからない。人生を終わらせたいと絶望するほど孤独でひどい生活をおくってきたというのは信じ難い。
それにそんな不幸な人物が、何故ひどい生活のために汚れてやせ細った体ではなく、あれだけの筋肉・体格で登場できたのかとも思う。プロレスラーのような筋肉維持するのってどれだけすごい鍛錬が必要なのかを、格闘技経験者の私は知っているので。どう見ても普段から栄養価の高い食事をして毎日長い時間かけて筋トレしていますという体でした。
そもそもこの刑務所の話で、そんな超能力者が出てこなければならない理由があるのだろうか。世間での高評価と異なり、私には役割も見た目も違和感ありまくりの人物でした。
また最後のトム・ハンクスの運命についても理解できなかった。何故彼だけがそうなったのか、彼はどうなるのか、それにどんな意味があるのか。釈然としません。
生きることがいやになった
ジョンが最後に言っていたセリフ、「生きることがいやになった」
「生きていたくない」という言葉が頭の中に残っている。
世の中には、パーシーのようなイヤな奴もいるし、ビルのようなどうしようもない奴もいる。
その一方で、ハルの奥さんのような人が病気で死ななければならないようなことになる。
そんな世の中をみて、また、ジョンのように余計なものまで、見えてしまう、感じてしまうと、ああいったセリフがでてくるのだろう。
「特別な力」は人を不幸にするのか?
大恐慌時代のアメリカ。
主人公が看守主任として勤務する刑務所に黒人の大男が収容されます。幼い女の子2人を殺害した罪で死刑を言い渡されたその大男は、殺人犯とは思えないような心の優しい人物でした。しかも、主人公の持病を吸い取って治してしまうという不思議な力を持っていました・・・。
大男と看守達は次第に心を通わせていき「情」が生まれます。
しかし「その日」は確実に否応無く迫ってきます。
無実だったということが判った後でも、大男は言います。
「もう、いいんだ。ひどく疲れた。」
人種差別が酷かった時代。彼はどんな気持ちで生きてきたのか?
「癒しの力」を授かった大男は、その力で周囲の人々を幸せに出来たはずなのに、何故こんなことになってしまったのか?
あまりの理不尽な結末に涙が溢れます。
大男の「命」を吹き込まれ、長い「グリーンマイル」を歩くことになった主人公ポールと鼠のMr.ジングルス。
それは、大男を救えなかったことへの「贖罪」なんでしょうか?
それとも、大男と心を通わせた「お礼」だったんでしょうか?
考えさせられます。
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