「聖書外伝」グリーンマイル mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
聖書外伝
最初は超能力もの?SF?って思ってみてたけど完全な宗教映画でしたね🎵それもかなり意図的にキリスト教圏の人で無いと分からないように巧妙にその宗教性は隠されている。まず主人公のポールである。コールド・マウンテン刑務所Eブロックの看守主任で在職中、78回の死刑執行の指揮をとったとある。ポール=聖パウロ。言わずと知れずキリスト教の最大の迫害者で後に回心して最大のキリスト者となる人物である。そしてサブキャラクターのジョン・コーフィ。黒人の大男で少し知能や記憶力に発達障害がある。ジョンは聖ヨハネの事でありイエス・キリストの預言者である。日本人はよく間違いやすいのだが予言者ではなく預言者である。すなわち神の言葉を預かれしもの意味で神の国の使い=天使として描かれることもある。ポールはジョンに尿路感染症を治してもらいジョンの無実を信じるようになる。奇蹟を見たものが回心し(まさに「パウロの回心」)人の罪と正義に目覚めていく物語である。象徴的なことはまた一つ。コールド・マウンテン刑務所の所長の妻・メリンダの難病をポールがジョンを使って治癒した時メリンダはお礼として聖クリストファーのメダイをジョンに授ける。聖クリストファーは地球上の罪を背負った幼子イエスを肩に背負い世話を焼いた聖人である。罪の重さはポールにとって虫のようなエネルギー体としてコントロールされ悪人の心を読んだり、その者たちの処分に使ったりするが自分の命を救う事は出来なかった。ただジョンはそのエネルギーの一部を出だしのプロローグの伏線回収に使うべく、ジョンとネズミのMr.ジングルスに施しその命を長寿に当てる。それは決して本人たちにとっては幸せなことでは無く、死ねぬ苦しみ、知り合いたちとの死別で自らの実が取り残される恐怖・・このことは信者に不死を与えることが幸せかどうかを深く考察させられる。ちなみに原作では
Mr.ジングルスは「スチームボート・ウィリー」と呼ばれており、すなわちミッキー・マウスとして世界中の人々の心にアイコンとして刻まれる・・そうイエス・キリストのように・・・。