「テーマが理解されていない秀作NO1」グリーンマイル さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
テーマが理解されていない秀作NO1
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人間はなんと利己的で醜いのか。
上司の美しい奧さんを助ける為には、色んなリスクを冒してコフィー(マイケル・クラーク・ダンカン)を檻から出していいように使う。しかしコフィーを無実と知りつつ死刑台に送ることは、「しょうがない」「本人が生きるのがつらいと言ってる」から等と、ポール(トム・ハンクス)を初め、刑務官達は何もすることもなく諦める。
あの頃の黒人を助けるすべはなかった?と、自分達を納得させる。
大部分の観客も、しょうがないと納得。無実だと知ってる人間を死刑台に送るのは、さぞや辛かっただろう!と涙ぐむ。そうなんだろうか?私はこの刑務官達の嫌らしさに、鳥肌が立った。何故、上司の美しい奧さんを助けた時のように、コフィーの為にリスクを冒さないんだ?
そして永遠の命を得たポールは、愛する者の死を見届け続ける。まるで罰のように。終わらない孤独。何故、ポールだけ罰を受ける?他の刑務官達は、安らかな死を迎えたのに?
本作は人間の身勝手さ、嫌らしさ、醜さ、世の理不尽さ、不条理さを描いた秀作であって、決して「無実の人間を死刑台に送った!俺たち(刑務官達)辛かった!」な、感動・号泣映画ではない
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