インサイダーのレビュー・感想・評価
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実話ベースとは・・・
CBSの熱血プロデューサーバーグマンをアル・パチーノが、正義を貫くべきか逡巡する元副社長ワイガンドをラッセル・クロウが、熱く渋い演技で魅せる。
不正を知り「内部告発」に至る迄の苦悩、告発後に及ぼされるであろう社会的影響…正論であったとしても、単独で一石を投じるには、強い意志と勇気、正義感が必要です。
組織が大きければ大きい程、問題の根が深ければ深い程その影響も大きく、「内部告発」の重さ、難しさを改めて感じました。
ラストシーンのアル・パチーノの後ろ姿と楽曲に唸ってしまいました✨
テレビ東京を録画にて鑑賞(吹替版)
『オサケ、モウ1ポン。』
いいキャッチコピーつけましたね~! 初めて観た時は中学生で、大人になった今もバカですが、企業や世の中のことなど何もわからなくても全く飽きませんでした! アル・パチーノは『ヒート』で好きでしたし、『グラディエーター』をレンタルビデオで観てラッセル・クロウのファンになったので、その後に初めてこの映画をレンタルビデオで観たんだと思います(^-^) 冒頭でクビになって帰ってからの家族での食卓のシーンとか、雨の中で車内でアル・パチーノと話すシーンとか、夜中に娘に起こされて銃を持って庭を見に行くシーンとか、アル・パチーノ一家の朝の風景とか、ラッセル・クロウが学校の先生になったり、内部告発以外でも好きなシーンが多くて(笑) ラッセル・クロウの日本語も(^-^)
とてもよかった
マイケル・マン監督作で撃ち合いはなくてもハードだった。実在の会社名がバンバン出てくるけど大丈夫なのだろうか。そして報道の自由度が極めて高くてすごい。銃社会だからだろうか。たばこ会社の社長が本当に憎らしい。守秘義務の契約じゃなくて、口止め料をもっと払えばいいのにと思う。2時間40分もあって長いと思っていたけど、あまり長く感じなかった。
90年代が舞台なのに登場人物が誰も喫煙してないのは変だった。最近の時代劇は、過度に吸いすぎなくらいにたばこを吸う。
2人の内部告発
総合:75点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
ワイガンドはただ黙って失業手当と保険をもらっておけばここまで苦労することはなかったのに、告発をしたがために多くの物を失い巨大な重圧の下で戦い続けなければならなかった。会社を告発するということの大変さを感じる作品だった。
バーグマンもそれは似たり寄ったりで、社会のためだ・英雄が不足していると言いながらワイガンドに告発することを口説いておきながら、会社の都合で彼の告発部分を放送出来なくなる。その時に彼が直面する2つの選択肢は、
1.ワイガンドが苦境に陥ることを知りながら仕方がないと会社に従い放送しない
2.自分が苦境に陥ることを知りながらワイガンドを守り放送するためのあらゆる努力をする
である。会社の他の者は会社に従い保身に走った。しかしバーグマンはワイガンドのように会社の内部情報を漏洩して記事にさせ告発した。彼は会社と戦い長年一緒に働いてきた同僚と上司との関係を壊した。これはある意味で会社と仲間を裏切ることともとれるし、辛い決断だ。
こんなことが出来る人がいったい世の中にどれだけいるだろうか。相当の葛藤と実際の軋轢があったはずだ。仲間を告発となればその後の再就職も将来の記者としての仕事もどうなるかわからないのにである。私はこの部分に惹きつけられたが、残念ながらこれについてはさらりと流されあまり詳しく描かれていなくてそこが不満。
全体として面白い社会派作品だった。しかし時系列と場所の移動が説明されないままに進展していくし、登場人物が多いので、全体像を掴むのが難しいのが欠点。
ところで国民性を表した「沈没船の冗談」というものがある。世界各国の人々が乗った豪華客船が沈没しかかっていて、船長が各国の人を飛び込ませるために各国の人々の国民性を考慮した有効な言葉とは何かというものである。
日本人に対して・・・「みなさんはもう飛び込みました(日本人は他人の行動に同調するので)」
アメリカ人に対して・・・「飛び込めば英雄になれます(アメリカ人は英雄になりたがるので)」
アメリカ人は英雄になれるという言葉に弱い。ワイガンドを口説くためのバーグマンの英雄が不足しているという科白は印象に残った。やはり出演を決心させるにはこういう言葉を発せないと駄目なんだろうと参考になった。そして自らの職を犠牲にして彼を見捨てなかったバーグマンのその後の行動がやはり印象に残った。
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