劇場公開日 2000年7月1日

「閉鎖社会を出て知る自分の居場所」サイダーハウス・ルール Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0閉鎖社会を出て知る自分の居場所

2014年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

幸せ

総合80点 ( ストーリー:75点|キャスト:85点|演出:85点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )

 文学作品が原作だそうで、そのためか話に透明感があってとても瑞々しい。「グッド・ウィル・ハンティング」に雰囲気と話は共通点がある。

 実際は季節労働者として林檎摘みをしているだけなのでそれほどたいしたことをしているわけでもないし、外の世界の体験はこれだけなのかと思ってしまうのだが、非常に閉鎖された特殊な場所で育ちそこから飛び出して主人公が会う人も体験することも全てが新鮮に感じる。撮影もいいしそれを演じる出演者の演技もいいし、全体に演出の質感が良い。
 その後ただのどかな農場での美しい体験だけでは終わらず、裏側にある人々の愛憎劇が炙り出されるのは「天国の日々」にも似ている。結末は出来すぎな部分もあるが、主人公が生き甲斐と自分の人生の行き着く場所を理解していく過程が純粋に描かれていて評価できる。「グッド・ウィル・ハンティング」「天国の日々」が好きな人には本作も好きになるのではないか。

コメントする
Cape God