「here comes the story of the Hurricane. これは奇跡か運命か…。」ザ・ハリケーン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
here comes the story of the Hurricane. これは奇跡か運命か…。
冤罪により独房へ送られたボクサー、ルービン・”ハリケーン”・カーターの実話を基にしたヒューマン・ドラマ。
カーターと彼の書いた自伝に感銘を受けた青年レズラとの出会いが、運命の歯車を動かすことになる。
主人公カーターを演じたのは『ペリカン文書』『フィラデルフィア』の、レジェンド俳優デンゼル・ワシントン。
第57回 ゴールデングローブ賞において、主演男優賞(ドラマ部門)を受賞!
第50回 ベルリン国際映画祭において、銀熊賞(最優秀男優賞)を受賞!
映画.comユーザーの皆様、昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。本年も宜しくお願い申し上げます🙇♂️
という訳で、2021年最初のレビューは1999年の作品『ザ・ハリケーン』。我ながら渋いチョイス!
原作本を読んだデンゼル・ワシントンが感動し、映画化の際には是非自分でカーターを演じたいと熱望したという。
デンゼルの熱意が伝わり実際に演じることになったが、なんと彼は本作のために27キロも減量をしてボクサー体型を作り上げた!
鬼気迫る彼の演技を見るだけでも、本作を鑑賞する価値はある。
黒人に対する人種差別を象徴するかの様な「ルービン・カーター事件」。
ボブ・ディランのアルバム「欲望」に収録されている「ハリケーン」という楽曲は、この事件の内容を歌い上げたもの。歌詞がそのまんま、この事件の顛末を表している。
このアルバムは事前に聴いていたので、ルービン・カーター事件のことは知っていたが、映画を観ることでカーターの悲運というしかない人生をより深く知ることが出来、またディランの歌のその後の展開を知ることが出来た。
絶望的としか言い表せない状況に置かれた彼を救うのは、レズラという青年。
レズラが古本市でカーターの自伝を手にするところから物語が始まる。
この語り口が見事。自然な流れでカーターの運命が観客に提示されるため、レズラと一体になるように、カーターに対して感銘を受けることが出来る。
レズラを演じたヴィセラス・レオン・シャノンという俳優さんの演技が素晴らしく、彼にも助演男優賞を差し上げたいくらいだった。
苦境に立たされる男の絶望と、運命と戦うことへの決意には心を動かされる。
でも映画全体にちょっと鈍重な感じがある。
レズラとカナダ人チームがカーターの為に動き始めるまでが長すぎ。そこからが盛り上がるところなので、もっと早くカナダ組とカーターの出会いを描くべきだったんじゃないかな。
ランタイムが145分というのもちょっと長く感じたなぁ。
映画本編とは関係ないが、本作の日本版予告で何故か『ショーシャンクの空に』の劇伴が流れる。同じ監獄物だけど、別作品の音楽使うのはルールで禁止スよね。
ちょっと笑っちゃったよ。
そういえば、本作の白人だけど優しい看守の人、どっかで見た事あるな〜、と思っていたら『ショーシャンク』の暴力看守の人だった。偶然じゃないだろうなぁ。
扱われている内容がかなりヘビーなので、気楽に観れる映画ではないが、観終わった後の充足感はなかなか。
新年一発目の映画鑑賞が本作でよかったかも!
ディランの曲が劇中歌として流れるのも良い👍
観る価値のある一本です!
2020年ベストランキング!
①フォードvsフェラーリ
②フェアウェル
③1917
④黒い司法
⑤カセットテープ・ダイアリーズ
あんまり新作を観るタイプではないけど、一応ランキングしてみた。①文句なし!燃えた🔥②好き!泣いた😢③迫力が凄い!ビビった😬④MBJカッコ良い!惚れた💕⑤共感した!泣いた😢