「予告はワクワクするのに…。」パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
予告はワクワクするのに…。
あれって、アトラクションにしたらおもしろそうだなというアクション満載。
世界観も良い。
役者も動いているの観るだけでもうっとりする。
でも全体として、何故こうなる。だらだらとした感じ。
無理くりに、”海”から連想されるものを詰め込んだ感じ。
ディズニー・アトラクション『カリブの海賊』の世界をそのまま映画館で体験できた前作に比べ、
東インド貿易会社まで引っ張り出して、政治のドロドロ、欲を組み入れて、何をしたかったのか?
愛する人を助けるために、冒険に乗り出したお姫様を、道化師のような海賊が、助けるんだか邪魔するのかわからない立ち位置なれど、彼なりの矜持(ブラックパール号のキャプテンなんだという譲れないもの)はあって、結局は助けることになった冒険活劇で、バルボッサの悲劇に胸を痛めつつ、父も恋敵も、愛する人の幸せを願って大円団になった気持ちの良い前作を、
引っ搔き回して、滅茶苦茶にして、ノリントンの男気まで下げて、何をしたかったのか?
『スターウォーズ』との類似性を指摘されているが、そういうこと?でも『スターウォーズ」のようにはっきりとした帝国軍とレジスタンスという構図は描けないから、何をやっているのかわからなくなる。へたに、ラスボスの事情まで描いているが、そこでカタルシスが得られるわけでもなく…(役者はそう言うの演じられる人だから余計に悔しい)。
『トムとジェリー』のようなドタバタ、シーンごとの展開は楽しめるんだけど…。そのつなぎ合わせ?だったら、昔のショートアニメみたいに、15分~30分の動画を、毎日もしくは毎週見たくなってしまう…。
周りが、一般常識的に動いていたからスパロウ船長のおかしさが良いアクセントだったのに。
そんなスパロウ船長だけど、彼なりの矜持があったから格好よかったのに。
自分たちで自分たちの作品に砂をかけた感じ…。
VFXはすごい。
でも、前作の方が引き込まれた。例えば、人間なのに、あるフィルターで見る場面だと、みんな骸骨に見えるとか。世の無常を感じた…。
今作は、その余韻がない…。
う~ん。
そして、次の作品へなだれ込む…。
映画としては☆1つにしたいけど、映像・役者・音楽は最高なので☆1.5です。