「サムワイズ様の決意 ゴラムの闇」ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 チャイコ大好きおじさんさんの映画レビュー(感想・評価)
サムワイズ様の決意 ゴラムの闇
『二つの塔』とはモルドールにあるサウロンの塔とアイゼンガルドにあるサルマンの塔の事、この物語の悪役を担う闇の勢力である。
『旅の仲間』は指輪を捨てる旅の始まり〜9人旅の仲間結成〜旅の仲間の離散を描いた。
『二つの塔』は離散した旅の仲間のその後を3チーム❨フロドとサムそして案内人のゴラムのチーム、メリーとピピンのチーム、アラゴルンとレゴラス
とギムリそして白の魔法使いガンダルフのチーム❩が同じ時間軸で同時進行していく。しかも、交互に。
20年前に友人がこの映画を観た時の感想で、フロドチームとピピンチームがゴチャゴチャになり、分かりづらかったと笑い話になっていた。両方ともにホビット族で小さい人なので、LOTRをこの作品から観始めるとわからなくなるのは無理がない。
この作品は私の場合、1万のオークとウルク=ハイの軍団と籠城する300の人間とエルフ、1人のドワーフからなる連合軍が激突するヘルム渓谷の合戦シーンが大規模で迫力満点で何度もDVDやブルーレイで繰り返し観ていました。途中のエントやファラミアに捕まったフロドのシーンを飛ばしていました。特に城壁を火薬で吹き飛ばすシーンは音響も素晴らしく、家のサラウンドサンプルにしていました。爆発音が凄まじいので、家の者に怒られたものです。
ゴラムについては二重人格の異常性が際立ち、それはまるでジキルとハイドの如く、サムが❝治らない❞と呟いた様に完全に闇落ちと観客である私たちにも納得させられるのです。一度は自分の名前スメアゴルを思い出し、人の良さが前面に出現するが、フロドに裏切られたと感じてから、ゴラムとスメアゴルが負の形で一体となり、指輪を奪いたいだけの煩悩の塊となってしまった。
さて、サムワイズ様の決意だが、終盤のサムの長台詞から指輪を捨てる旅を続けるフロドをサポートする決意を新たにするのである。この台詞を再現してみましょう。
❨サム❩こんな事になって、こんな所まで来てしまった。心に深く残る物語の中に入り込んだ気がします。暗闇と危険に満ちた物語、明るい話になり得ないので結末を聞きたくない、悪い事ばかり起こった世界が元にもどります?
でも、この暗闇もいつかは消え去ってゆくでしょう。暗黒の日々にも終わりが、新しい日が来ます。
そして太陽がより明るく輝く、そういうのが心に残る意味の深い物語です。子供の時は分からなくても、何故心に残ったのか、今はよく分かる気がします。物語の主人公たちは決して道を引き返さなかった。何かを信じて、歩み続けたんです。
❨フロド❩何を信じればいい?
❨サム❩この世には命を懸けて戦うに足る尊いものがあるんです。
私は映画が好きで、特に素晴らしい台詞や意外性のある台詞、シーンに対する台詞のマッチング等、とにかく台詞が好きなのです。
このサムの台詞は爽やかな感動を呼び、LOTR大河ドラマの中盤に当たる3時間の大作で、この作品観て良かったと思わせる物なのです。