「神話の完成」ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 spicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
神話の完成
アラゴルン隊はゴンドールを防衛したのち、フロドの道行を助けるため、冥王サウロンの本拠地モルドールに出撃、死闘を繰り広げる。黒澤監督顔負けの壮大な合戦シーンは見ものだった。
本作のために製作された鎧が48,000、弓500、矢10,000(ホビットの足は1800組)とのこと。この作品では重厚な音楽も素晴らしいが、メーク、セットも含めて、美術さんの圧倒的な仕事の量と質に感動。CG技術が今ほど進んでいなかった時代にこれだけのリアルかつスケール感のある画を作れたのはすごい。今見てもとてもリアルな一方、どこか手仕事感が感じられるのがまた、いいなと思う。
最後に、我が身を捨ててフロドを助ける覚悟のサムは間違いなくヒーローだが、やはり真のヒーローはフロドだろう。最悪のもらい事故のような運命を引き受けて、満身創痍になって全うしたのだから。演じたI・ウッド氏の大きな青い瞳がフロドの苦悩をよく映していて印象に残る。
全ての生き物を支配したいという恐ろしい欲求は時に人を捉えて離さない。しかし、小さく弱き者達も皆で力を合わせれば、そんな闇の力も倒すことができる。
原作者トールキンは第一世界大戦から帰国したのち、再び世界に戦いの暗雲が立ちこめる中にあって、そんなメッセージを込めてこの物語を著したのではないかな、とこのシリーズを観て思った。
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