「劇的な結末」ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
劇的な結末
円盤のコレクターズ・エディションにて視聴。
1930年代、第二次世界大戦中に書かれた原作(著者:トールキン)は、読者1億人超えの大ベストセラーである。
原作の愛読者のひとりであるピーター・ジャクソン監督は、本から抜け出したような人物を探し、人柄を重視してキャスティングした。
原作未読であったガンダルフを演じたイアン・マッケランは、役作りのため指輪物語を読み始めて熱心に研究し、しまいには博士のようになり「中つ国は存在していたし、これは実話である」と特典DISCに収録されている映像で語っている。
白い大理石でできた建築物が印象的な気品漂う王の都ミナス・ティリスは見ごたえがあるし、兵士の武器防具等もひとつひとつ丁寧につくられている。アクションもリアルで本格的である。
おぞましい獣や倒れる馬の映像もまるで本物。
ハワード・ショアが担当した音楽もすばらしい。
今作は冥王サウロンとの戦い。
この冒険は、献身ぶりを試されたサム(ショーン・アスティン)の功績が大きい。
信頼が厚いアルゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)は王に君臨する。彼の資質と人間性が見どころのひとつでもある。
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(1989年)に出演していたイライジャ・ウッドが演じたフロドと、主従関係にあるサムの平凡なホビットの物語の最後にふさわしく、寂しげでメランコリックなエンディングで、勝利の代償まで原作通りに描かれている。
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