「【”武士道と云うは死ぬことと見つけたり。”オフ・ビート感なき珍しきジム・ジャームッシュ監督作。武士道の欠片もないマフィアに対し、”葉隠”愛読黒人スナイパーがスタイリッシュに彼らを殺戮して行く映画。】」ゴースト・ドッグ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”武士道と云うは死ぬことと見つけたり。”オフ・ビート感なき珍しきジム・ジャームッシュ監督作。武士道の欠片もないマフィアに対し、”葉隠”愛読黒人スナイパーがスタイリッシュに彼らを殺戮して行く映画。】
■武士道に傾倒し、“葉隠”を愛読するゴースト・ドック(フォレスト・ウィテカー)は、伝書鳩を唯一の通信手段とし、恩人のマフィアの幹部・ルーイのために働くスナイパー。
ある日、彼はルーイのボス、ヴァ―ゴの娘・ルイーズと関係を持ったフランクを殺害するが、現場にいないはずのルイーズがいる。
が、ゴースト・ドッグは彼女に”羅生門”を渡し、”面白いから読んで”と言って立ち去る。
◆感想
・ジム・ジャームッシュ監督の日本びいきは有名である。
永瀬正敏氏などは「ミステリー・トレイン」と「パターソン」の2作に登場しているし、「ミステリー・トレイン」では日本人カップル(永瀬正敏&工藤夕貴)が重要な役で出演している。
・今作ではゴースト・ドッグは、”葉隠”を愛読しており、彼の行動原理は、この書に則っている。(一部、誤解している所があるが、それは言わずもがなである。)
・面白いのは、鳩を通信手段とし、ビルの屋上で暮らすゴースト・ドッグと、仏蘭西語しか話せないアイスクリーム屋、レイモンと、おしゃまな女の子パーリーンとのやゴースト・ドッグが唯一安寧を感じる関係性や、彼を且つて助けたルーイに対する敬意の念の表現方法であろう。
<ラスト、ボスをゴースト・ドッグに殺されたルーイに向けた銃口。それに対し、弾の入っていないサイレンサーを手にしながら近づいていくゴースト・ドッグの姿。
武士道の解釈は日本人でもムズカシイと言われるが、ジム・ジャームッシュ監督也の解釈を反映させたゴースト・ドッグの生き様と死に様はナカナカな作品である。>
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