「余計なものが映っていない分こわい」ブレア・ウィッチ・プロジェクト うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
余計なものが映っていない分こわい
引き算の発想で、予算がなければ余計なものを映さないという徹底ぶりで、低予算なのにここまでのクオリティの映画にしてしまった奇跡の出来栄え。この映画に関わった、ほとんどの人がその後ヒット作を作っていないことを見ると、とんでもないまぐれ当たりだったことになります。
監督のコメンタリーに、カーラジオから流れる曲に、「使用したい曲があったが、予算の都合で使用できなかった」みたいなコメントがあったので、このような、ファウンドフッテージものにして、編集も粗く、音楽もつけず、登場人物も最小限で済むという、開き直りで作ったら、妙なリアリティが出て、それが怖さを生み出し、ヒットしたという皮肉な作品ですね。
潤沢な予算と、入念な準備期間を経て制作された映画だけが、面白いものになるわけではないという、いい例になったと思います。
ただし、結局みんなどうなっちゃったの?とか、ブレアウィッチっていったい何だったのとか、そういう根本的なことは何も解決していません。
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