シュリのレビュー・感想・評価
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悲しき運命の愛
レンタルDVDで2回目の鑑賞(吹替)。
過去に「日曜洋画劇場」で観た記憶がある。小学校低学年だったので断片的に覚えている程度だ。最近個人的に、遅ればせながらの韓流ブームが到来しており、久しぶりに観てみた。
これほどまでにハリウッドナイズされている韓国映画は、当時とても斬新だったのではないだろうか。銃撃戦などのアクションシーンはリアリティーたっぷりで、迫力満点だった。
ハリウッドから撮影に使うステージ・ガンを取り寄せ、ソウル市内で銃撃戦の屋外ロケを敢行。銃声を本物と勘違いして付近の住民が警察に通報したと云うエピソードが面白い。
主人公の韓国諜報員と北朝鮮工作員の悲恋に心を掻き乱された。仕組まれた出会いだったとは言え、もしかしたら運命だったのかもしれないと思いたくなる。ふたりの愛が美しい。
この物語の結末は、確実に悲しみを伴うものになるだろうなと容易に想像出来るものであったが、頼むからそうなってくれるなと祈らずにはいられなかった。祈りは届かなかった。
工作員たちの、融和ムード漂う二国関係に風穴を開け、腐敗政治を変えようとする計画は、民族の孕む歴史が生んだ悲劇と言えなくもない。全ては誇りと愛故の行動であった。
本作は愛の物語と言えるかもしれない。
※修正(2024/09/28)
切ない
ベタな内容ではありますが、ロミオとジュリエット的な切ない物語が好きな方にはぴったりな作品でした。冷戦に翻弄された朝鮮の歴史は、本当にかわいそうだし、ひょっとすると日本でも同じことが起こっていたかもしれないと思うと、他人事ではないです。
「シュリ」は、韓国映画が世界的に認められるきっかけになった作品と記憶しています。さすが、熱量が高いと言うか、感情が高ぶるというか、作品から溢れてくるエネルギーの大きさを感じます。内容が分かっていながらも、ラストのふたりの哀しみに飲み込まれてしまいました。もしかすると、現実にこのふたりが存在していたのかもしれないと夢想しながら。
追跡してる女スパイが鬘をとったシーンが、すごい印象深い。 その女ス...
追跡してる女スパイが鬘をとったシーンが、すごい印象深い。
その女スパイが、自分の恋人だったオチ。
刹那い映画!
何度観て、何度泣いたでしょう・・・
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韓国のエリート情報部員と、北朝鮮の美しき女工作員の悲恋を描いた
アクション・ロマン。
韓国情報部員ユ・ジョンウォンは、アクアショップを経営する恋人
イ・ミョンヒョンとの結婚を一ヵ月後に控えて、北朝鮮の女工作員
イ・バンヒを追っていました。
そんな矢先、北朝鮮特殊部隊の爆破目標が、要人が集うサッカーの
交流試合が開催されるスタジアムだと突き止めます。
ここで、ユ・ジョンウォンにとって、衝撃的な事実が発覚。北朝鮮の
女工作員の正体が誰なのかを知ることになります。
そして、最後に悲しいクライマックスを迎えます。
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「最後の悲しいクライマックス」
ユ・ジョンウォンを見つめながら、
倒れていくある女性の姿に、
私は号泣してしまいました。
北朝鮮工作員と韓国諜報部員との
壮絶なアクションシーンが、
非常に高く評価された映画です。
でも、私はそれより映画の、
素晴らしい企画構成を
評価したいと思います。
何度観ても、感動し、涙する映画、
「シュリ」
まだ観ていない方は、
ぜひ一度ご覧ください。
私ほど、
涙することはないかもしれませんが。
悪いけど笑ってしまった
現代の朝鮮半島版「ロミオとジュリエット」。
ロミオは南の刑事。ジュリエットは北の工作員。
スケールはハリウッド級。
この映画によると、北の工作員は自分が追い詰められると爆弾をのんで自爆させるらしい。実情がどうかは知りませんが、それをわざわざ、一発でマネキンとわかる人形つかって、爆死させるシーンを正面から撮らなくてもいいでしょう。悲しいというよりも、そういうシーンを撮ること自体の悪趣味ぶりにドン引きです。
映画全体は、泣かせる要素をとりあえず何でも詰め込んだデパートのような映画です。そのたたき売りぶりに逆に笑ってしまいました。
壮絶なる想いが詰まったラストシーン
同じ民族でありながら、そのきずなを引き裂かれた南(大韓民国)と北(北朝鮮)。
そして、その悲しき現実が、ハン・ソッキュ演じる韓国の情報機関員と、小さな頃から殺人兵器として育てられたキム・ユンジン演じる北朝鮮の敏腕女性スナイパーの幻のような恋物語を通じて語られていくのです。
この当時、世界中で大ヒットしたタイタニックの動員記録を本国にて塗り替え、さらには日本でも韓国映画としては異例の大ヒットとなった映画ですが…、
韓国ではこのシュリ公開の数年前、1997年にはデフォルト(不良債権化)寸前の“通貨危機”に見舞われ、再建が非常に困難な経済状況に陥っていました。
しかし、その後、官民一体となって行われたIT事業などの成功により一気に巻き返し、2003年からは実質3~4%の経済成長を遂げています。(詳細な文献を精査しておらず一部あやふやかもしれない事をお断りしておきます。また現在もウォン高によるインフレ懸念を抱えており決して豊かな国になった訳ではないかもしれません。)
私が言いたいのは、韓国においてこの困難な経済状況打開の裏に、シュリが出現したということです。これは困難を打開していくその裏に文化復興があった。決して経済理論や政治テクニックだけではなく、民衆による文化・芸術の蜂起により国が再び、復活の狼煙をあげた!とも言えるのではないでしょうか?
“人間”が演じる、さまざまな想いが詰まったその、かんばせ(顔)…。
私は、シュリのラストシーンで、件の二人が、心の奥で未だ愛してやまない恋人に対して銃を向けあうその表情が忘れられません。
そして、たまたまチケットを頂き観戦する事ができた日韓共同開催の2002年ワールドカップ、イタリア対韓国の一戦で、スタジアムを揺るがす『アリラン』の大合唱が今でも忘れられません。
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