「普遍的な悲恋をテーマにしたアクション大作」シュリ じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
普遍的な悲恋をテーマにしたアクション大作
韓国で1999年に公開されて大ヒットした映画のリマスター。期間限定公開を鑑賞。
面白かったあ。
北朝鮮で殺人マシンとして訓練された女工作員と韓国の諜報員の救われない悲恋の映画。
現代の日本に置き換えることは出来ないけど、時代劇にはデジャブのあるテーマかなあ。
それにしても、この頃(日韓共催ワールドカップの少し前)から韓国映画は過激だなあ。
最初の訓練シーン
大きく❌と胸に書かれた敵?あるいは粛清対象を凸するシーン。タケシ映画並みの残虐さだ。
❌を凸できなかったり、凸しても吐いたりすると教官に即座に銃凸される。
2列に並んだ工作員の間から移動しながら標的を撃つシーン。
最後に、バトルロワイヤルよろしく、工作員と❌の集団が凸し合いをして、生き残ったものが、韓国に潜入する。
この辺は、暗い画面と相まって『あずみ』のような殺伐とした描写でヒロインの工作員とし優秀さを描写する。でも、フェイスペイントのせいで誰が誰だかわからないけど。
一転してその6年後、本作の主役ユジョンウォン(ハン・ソッキュ)は韓国諜報部員をしており、観賞魚販売をしているイミョンヒョン(キムヨンジュ)と結婚を考えつつ親密な交際をしている。ユジョンウォンにはイジャンギル(ソン・ガンホ)という相棒がおり、3人はとても仲が良さそうだ。
一方で、2人はイバンヒという正体不明のスナイパーによる暗殺事件を追っていて、常に先を越される状況から内部のスパイを疑っている。
まあ、この辺から悲劇に終わるだろう3人の関係性が予感できるなあ。きっとそうだよねと思って引き込まれる。中華映画にもよくある展開かな?
敵も強そう。シュリとは朝鮮半島固有の淡水魚だそうだが、その名を冠したシュリ計画を実行するために、先の教官と工作員が潜入してくるが・・・。怖そう😱顔怖そう。空港にいたら絶対捕まるでしょ(笑)
よくも悪くも気になったポイント
話の鍵となるCTXという液体爆弾(光と熱が加わると爆発する)はSF。
諜報員と分かっているはずなのに交際しており、常に先んじて対象を凸しているイハンヒ。
自分の彼女は疑わないユジョンウォン。
コネ入社の若造が最後に活躍するところは面白かっただけに、ちゃんと撮して欲しかった。
全体的には、題材、ストーリー脚本、役者、全て伴った秀作と思います。
一言だけ、ハングルは言語はともかく文字は意味が全然分からないなあ。英語や中国語だと何となく読めるんだけどねえ。そういう意味では大好きなインド映画も同じだけどねー。