バベルのレビュー・感想・評価
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パンツはいてください。
アカデミー賞授賞式以前に鑑賞できていたら、作品賞の予想することもなかったのかもしれません。脚本はよく練られていて物語にのめり込む巧さは感じられたのに、独立した3つのプロットそのものには魅力がないのです。その点、監督のデビュー作である『アモーレス・ペロス』では人やモノ、そして伏線が3つのドラマを有機的に結びつき、ストーリー展開にも驚かされたものだった。『21g』ではプロットが単純なためか、フィルムをバラバラにして切り貼りしたおかげで複雑すぎて感情移入もできない欠点もあった。逆に考えると、イニャリトゥ監督は元が単純なプロットを壮大なドラマに作り上げることのできる天才なのかもしれないのです。
この映画の予告編などで聞かれる“言葉が通じない・・・”というコピーが大変良い出来で、バベルの塔を作ろうとした人間が神の怒りに触れ、言葉も人種もバラバラにされてしまったという世界観に大いに期待してしまう。しかし、大きなテーマはさほど実を結ばず、“言葉の壁”よりも“心の壁”、または青少年の“性の壁”や市民と警察の間にあった“権力の壁”といったものまで感じ取れてしまう。特に、モロッコ、日本、アメリカにおける警察官の対応の違いが興味深く、この市民と警察との心の壁が最も強烈だったようにも思います。
カンヌ国際映画祭から始まってGG賞、アカデミー賞と映画賞レースも大いに賑わせてくれたコン作品でありますが、やはり俳優、映像、音楽が秀でてました。菊地凛子とアドリアナ・バラーザももちろん良かったのですが、一押しはモロッコの少年ユセフを演じたブブケ・アイト・エル・カイドです。姉の裸を覗き見し、オナニーシーンを経て兄とライフル銃を撃つシークエンスの演技は一流俳優の片鱗さえ見せてくれました。兄ちゃんが父ちゃんに告げ口するシーンも面白かったです。
最近、日本人が外国人女性を殺したり留学生が日本人を殺したり、アメリカでは韓国人留学生が銃乱射事件を起こしたり、他の国の者を傷つける事件が目立ちます。言葉の壁が心の壁をも作ってしまうことをリアルに感じる出来事ですが、それよりも根本的に、人々がお互いに殺し合う能力を授かったということも神が怒りのために人間に与えた罰なのであろうか・・・
えっ、急に話変わんの?あっ、また。おっとブラピやん。今度は日本?役...
The brightest in the darkest night
撃たれたスーザンに村で婆さんが痛みを緩和する麻薬みたいなのを与えるシーンが印象に残る。言葉が通じない者でも解り合えるみたいな救いの場面。
ヤスジローは感謝の気持ちでモロッコのガイドに猟銃をあげるがそこから悲劇が生まれてしまった。家族関係の違いや国ごとの対比から多くのことを考えさせられる作品。
思っていたよりは良かった
理解するとは・・
日本の女優さんが、アカデミー賞の助演女優賞を受賞したとか・・・・上映された作品を見た方が気分が悪くなってしまったとか・・・ゴールデンウィーク前後に随分報道された作品でしたね。今日は久しぶりに午後早く仕事を切り上げられましたので、夕方の上映を見てきました。
映画以外では表現できない作品・・・、アメリカ・モロッコ・日本、それぞれを舞台として、それぞれの人間模様を描き出す。英語・スペイン語?・日本語、それぞれの場面でそれぞれレの言語が飛び交う。異なる言語の中で、意思が通じないもどかしさ。しかし、それぞれの画面は必要以上に説明を付け加えない。
すれ違い・行き違い・対立・・・・・登場人物はそれぞれの舞台で交錯する。
分からないもどかしさに、観客は振り回される・・・・、そう、ちょうど翻訳物の小説を読んでいるかの如く、吹き替えや字幕のない外国ものの映画を見ているかのよう・・・。外国人となれない外国語で、相手の言おうとしていることを、知っている単語だけの意味をつなぎながら、推測しているよう・・・。
しかも自体は次第に深刻になっていく・・・・。
けど・・・・、思いの通じ合うことができずに、やきもきしている私たち観客を、最後の場面で救ってくれたのは、言葉発することのできない、聾唖の方の仕草であることが・・・なんとも意味深いエンディングでした・・・・。
最後の場面では・・・ ヤラレタ・・・と 思わず拍手をしそうになってしまいました。
映画に対して、いわゆるハリウッド映画的な、「スッキリ」を求める方にとっては欲求不満になる作品。でも、映画好きには是非見て欲しい作品です・・・
ストレスが溜まる。
監督の意図通りにかなり苛つくしストレスが溜まった。
言葉もそうだけど、とにかく意思疎通が取れない事がこんなにストレスが溜まるものなのかとイライラしっぱなしだった。
これだけコミュニケーションが取れないのに世界は繋がっていると言うアプローチが凄いなと思った。
登場人物もムカつく奴らばかりで自分勝手で自分だけが正しいと思っているキャラクターは匿名で他人を傷つけるSNSの住人たちと重ねて観た。
東京編はキャラクターも音楽も風景も何か違和感があって、外国人から見たらこんな変に映るのかと最初違和感があったけど、この変さこそ東京なのかもしれないなと妙に説得力があった。
自分の良心に従えば簡単に行く事のように思うけど人それぞれに良心があって自分勝手で、それに国境だとか法律が介入して、とても面倒臭い世界に生きてるなと思った。
世の中の
孤独 なのか、ひとりじゃない なのか
バベルというタイトルの意味
まず、娯楽作品ではない。
3箇所の話が同時に進行していくが、話の筋自体は難解なものではない。ただ、訴えたいテーマを理解するのには時間を要する。見終わった後、なんとも言えない刹那さに浸りながら、作品の意味するところをしばし考えさせられた。
私見だが、バベルの塔の寓話にある異なる言語による相互理解の困難さをベースにしながら、それでもそれを乗り越える共通言語(私には愛という言葉しか思いつかない)の力を描きたかったのではないだろうか?
最後のシーンがそれを象徴しているように思えてならない。そのラストシーンのBGMが秀逸。いつまでも胸に残る。
繰り返し見たいと思うような作品ではないが、見ておいた方がいいと思える作品でした。
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