「愛を求める孤独な日本人…」バベル 旅人さんの映画レビュー(感想・評価)
愛を求める孤独な日本人…
なんとも複雑な映画である。
この監督の作りだす雰囲気はどことなく好きなのだが、見終わった後のいたたまれない後味は相変わらず。
この映画での主役は、やはり”チエコ(菊池凛子)”だろう。
物にあふれた東京でだた一つ欠けているもの、”愛”。
その”愛”に迷う彼女の姿が今の日本人そのままなのではないか。
アメリカのメキシコ人問題や、中東との複雑な事情などもうまく織り交ぜているが、やはり最も描きたかったのは”愛”に彷徨う孤独な日本人の姿たと感じた。
おそらく人によってさまざまな捉え方をするとは思うが、それほどストーリーに関わりのない日本の話をここまで展開させたことにこの映画の真意がある思う。
個人的には『アモーレ・ペロス』に描かれている「愛」の方が好きだ。
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