「「格差社会」「情報社会」SF。リドリー・スコットとかが撮ったらもっとストレートで怖いSFスリラーになるかも。でも、どこかもっさりした脚本と演出とで却って深読み出来るカルト映画になっているのかな…」ゼイリブ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
「格差社会」「情報社会」SF。リドリー・スコットとかが撮ったらもっとストレートで怖いSFスリラーになるかも。でも、どこかもっさりした脚本と演出とで却って深読み出来るカルト映画になっているのかな…
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①初めて頭から通しで観た。いつの間にか地球にやって来ていたエイリアンたち。金と権力とがある地球人たちはその金銭欲・権力欲を満たすことで僕(しもべ)にし、金と力のない地球人たちは目や耳を通したサブミナル効果で知らず知らずのうちに操るという、地球人の業をよく理解しているクレバーなエイリアンだわ。②深刻にしようと思えばいくらでも深刻に出来る題材ながら、サスペンスフルな展開はなく、どこかのどかな空気が漂う。情報量が足りないわりには変な台詞が多くシンプルなのか適当なのかわからない脚本、如何にも費用をかけていないロケーション、チープなセット、シャープとはお世辞にも言えないジョン・カーペンターの演出。この辺りに起因しているんでしょうね。③いくらイケメンのプロレスラー、ロディ・パイパーが主演だからって、たかがサングラスを掛ける掛けないで、あれだけ格闘シーンに尺を取るんだもの、ハラハラドキドキさせる映画に鼻からする気はないなと思います。④
安いセットや緩い演出の中で一生懸命アクションしてる主演の二人に健気ささえ感じます。⑤基本的にはB級の乗りで撮っている映画なので余りとやかく言うのは野暮だし、深読みすれば自由主義であろうと社会主義であろうと、金や権力に対する欲が人間社会から無くならない限り存在し続ける格差社会をSFの形を借りて風刺しているととれないことはないね。あと情報が有りすぎて良い情報と悪い情報とを判別できなくなっている現代を先取りしていた、と言えるかも知れない。
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