「不思議な魅力」戦場のメリークリスマス ヒカルさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な魅力
いつか観たいと思っていた映画です
クリスマスシーズンということで特別上映?されていました
劇場で観られて嬉しいです
さて内容ですが、戦争映画であり戦争映画ではありません
反戦や戦争の悲惨さを訴える気は毛頭ありません
極限状態での性差を超えた人間関係を描く為に戦場が最適だったという感じです
俘虜収容所という絶対的な主従関係が発生する場で民族間の考え方の違い、宗教観といったものが激しくぶつかります
俘虜たちに日本の価値観を押し付けようとする日本人の言動は見るに堪えません
日本人を全く庇わない大島監督は素晴らしいと思いました
そしてそんな日本人と奇妙な感情を交わしていく(計算もあったでしょう)俘虜たち…
どんな環境、立場でも長く同じ時を過ごす事でヒトとヒトの関係が築けるという事でしょうか
あまりに有名なラストシーンが答えだと思います
そして登場人物たちの存在感…
なんだかぎこちない演技なのに圧倒的な魅力で惹きつけられます
ヨノイが何故メイクをしているのか最初は気になって仕方ありませんでしたが、最後はどうでも良くなります
(それにしても坂本龍一は何故か死にゆく軍人が似合う)
音楽の素晴らしさは語るまでもなく、不思議な雰囲気漂うこの映画、クリスマスシーズンには繰り返し観たくなる1本になると思います
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