「異質の戦争映画と偉大な音楽」戦場のメリークリスマス はもさんの映画レビュー(感想・評価)
異質の戦争映画と偉大な音楽
毎年クリスマスの時期には見る映画です。
異質でありながらも、戦争の本質をついた映画だと思います。
戦争映画でありながら、戦闘シーンはなく悲劇的な女性も描かれません。
そう言う意味では、定石を外した戦争映画です。
勝てば官軍と言う通り、連合国が正義で枢軸国が悪となったわけですが、そこにいるのは同じ人間。
双方の視点をうまく駆使して、戦争が如何に空虚なものかを問いかけています。
クリスマスを祝うシーンが2度あり、セリフとしては似ているシーンなのですが、
ハラ(枢軸国)とロレンス(連合国)の立場がこれほどまでに変わるのは、なんとも言えない気持ちになります。
またこの映画を同性愛の映画と言う人がいますが、そんなことはないと思っています。
戦地という極限状態に中でこそ成立し得る、通常では理解し難い形のリスペクトが非常に綺麗に描かれていると感じました。
戦いをより直接的に描いて感動を誘う戦争映画も好きなのですが、違ったアプローチをしている本作は、
それ故に戦争についてより冷静に考える助けをしてくれるように感じます。
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