「鑑賞側に解釈を委ねる今どきでは作れない映画」戦場のメリークリスマス あぶるさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞側に解釈を委ねる今どきでは作れない映画
日本軍の狂気に満ちた作品なのかと思いきや、途中から雲行きが変わる。
描いているものは終始捕虜との関係だが、そこに人間的な感情が挟まり始めたように感じた。
つまり、相手を捕虜ではなく人間だと思い始めたということ。
長くを共にすると友情とは違う感情も芽生える、と序盤にローレンスが言っていたが、果たしてそういった感情だったのか…
ヨノイ大尉、ハラ軍曹、ローレンス、レリアスそれぞれの心中を想像しながら観なければ訳の分からない映画になってしまいそうな、ファスト映画なんかが流行ってしまう現代では無理な映画だなと感じた。
賛否はあるにせよ、私はこういう映画が今の時代にも作られてほしい。
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