「【”憎しみに対して愛で応える・・。”名曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」の美しきメインテーマ曲が、大島監督が拘っていた男色の世界を、芸術作品に昇華させた記念碑的作品。】」戦場のメリークリスマス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”憎しみに対して愛で応える・・。”名曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」の美しきメインテーマ曲が、大島監督が拘っていた男色の世界を、芸術作品に昇華させた記念碑的作品。】
ー 内容は、巷間に流布しているので、割愛。
だが、若きデヴィッド・ボウイと坂本龍一の蠱惑的な美しさは、忘れ難い作品である。ー
■感想
・狂気性を帯びた、帝國陸軍軍曹のハラ(ビートたけし)の制圧する側から、処刑される側に変わった際の、諦観したような笑顔。
そして、且つて捕虜だったロレンスに対して満面の笑顔で言った言葉、”Merry Christmas Mr.Lawrence!”。
・戦時であったからこそ、赦されない男色行為が、実は戦場で屡行われていた事は、周知の事実である。
だがこの作品では、それを国境、人種を越えた
”人が人の過ちを接吻によって赦す。”
と言う、観方によっては耽美的な行為で示している点が、鑑賞側に強い印象を残した。
・英国陸軍少佐セリアズ(デヴィッド・ボウイ)は、その行為により酷暑の中、首だけ出した生き埋め状態により、命を落とし、セリアズの行為により、ぐらつく気持ちを帝國陸軍ヨノイ大佐(坂本龍一)はギリギリ保つ。
だが、彼も終戦後処刑される・・。
<男色の耽美的世界を、第二次世界大戦時の日本軍俘虜収容所を舞台に蠱惑的に描いた、忘れ難き作品。
若きデヴィッド・ボウイと坂本龍一の姿も、鮮烈であった作品。
鮮やかな色彩が印象的であった作品でもある。>
■蛇足
・吉田秋生さんの作品でも描かれているが、おバカな中学生であった私は、この作品に影響を受け、学内で喧嘩をする際に、いきなり手を出すのではなく、まずは眼光鋭く相手に近づき、(気持ち悪かったが・・。)イキナリ相手の頬に接吻するという攻撃方法を編み出した。
同年の輩で、この映画を観ていたモノは殆どなく、この攻撃方法は実に効果的で、相手の戦意を一気に喪失させることが出来た。
そして、何故か、それまで以上に女子にモテるようになった・・。
性別関係なく、突然の”baiser"は効果的であることを申し上げる次第である・・。
ホント、幼少期からおバカでスイマセン・・。
◆追悼<2023年4月3日 追記>
・坂本さんが、僅か71歳で亡くなってしまった・・。
小学生時代にYMOと出会い、今まで知らなかったテクノポップに魅了され、その後も彼の方が発表された全CDを聴いて来た。
非情に残念である。
謹んで哀悼の意を表します。
KENZOさん
ご丁寧なコメントを頂き、こちらこそ恐縮です。
NOBUさん頁のコメも拝読致しました。
なるほど、素敵な先生、素敵な思い出ですね。
隠された十字架は、私個人としては梅原先生お得意の哲学、或いは歴史学というよりも、柳田國男、折口信夫に連なる民俗学的観点で読んだので、建築のプロフェッショナルという視点での読み方もあったか!と目から鱗です。
最近、病を患い、レビュー投稿ペースが激減しておりますが、呆れずにお付き合い頂けましたら幸いです。
KENZOさんのレビュー、楽しみに拝見させて頂きますね♪
「隠された十字架」は、後に研究室の先生になる教授が1年生の最初の授業で学生が建築に興味を持つように勧めた本で、私にとっても大切な思い出の図書です。建築的には法隆寺の最大の謎は、なぜ再建法隆寺が古い飛鳥様式で建てられているのか、との点ですが、天野正樹著「法隆寺を科学する」で合点がいきました。真相は若草伽藍は一部しか焼けず、殆どの建築材が現在の法隆寺に転用されて再建されたからなのでしょう。仏像が全て無事だったことからも肯けます。日本書紀の記述者は若草伽藍の解体後に現地を訪れ、勘違いか誇張で“一夜にして全焼”と記したのでしょう。映画に関係の無い話になってしまい申し訳ございません。
流石ですね〜♡
隠された十字架、私も大好きです。
主人も上代文学好きなので、法隆寺詣では梅原先生ネタで爆笑のひとときとなりましたw
中3の娘がついてきまして、今までは「パパママの寺社巡りは、時間かけ過ぎるから飽きてつまらない」と敬遠していたのが、今回はきっちり6時間かけて、じっくり法隆寺を堪能していました。
そだ!
冒頭のたけしと教授の会話!
確か、NHK-FMのサウンドストリート、火曜日教授の日、だったと思うんですけどねー。(自信ないけど、当時聞いてたからそうだと思う)
音源だけyou tubeにupしてくれていた人がいたから、今日45分聞いてテープ起こししましたwソース書いてくれてないんですけどね。多分サウストだと思います〜。
笑えるネタ満載で、45分すべて紹介したかったーw
うわぁ!そうでしたか!
男性で、その辺りの作家すべてを網羅しておられる方は稀有ですね♪
私も、坂田さんではバジル氏が1番好きです。
山岸涼子は小学生の時に「妖精王」で洗礼を受けましてね。3年生頃だったかなぁ。
母から「中学生になるまでは漫画を買ってはいけない」と厳命されていたのですが、禁を犯して妖精王を買ってしまったら何故か許されました。
ですから生まれて初めて買ったコミックスは妖精王になりますね。
(一昨日、法隆寺にて救世観音みてきたばかりなので、今日は久しぶりに日出処〜読んでますw)
デヴィッド・シルビアン、最初はForbidden Coloursもレビューに書いていたのですが、長くなり過ぎるので削りました。
耽美のくだりは女性層を意識して書きましたが、NOBUさんがこれほどお詳しいとは、よもやよもやです^ ^
NOBUさんのレビューにコメントしたくて、近所で4kやってないから仕方なくビデオ視聴しましたよw
流石NOBUさん、中学時代もタダ者ではないですね!
イケメンの特権ですね(笑)
「河よりも長くゆるやかに」もお読みなのですね。嬉しいです♡