劇場公開日 2001年3月3日

ユリョン : 映画評論・批評

2001年3月1日更新

2001年3月3日よりシネ・リーブル池袋ほかにてロードショー

深海の密室で激突する男たちの熱きプライド

1999年×月×日、私はソウル市内を走る地下鉄の車内に貼られるおびただしい数のポスターに目が釘付けになっていた。それはハングルを読めない私にでさえキナ臭い香り漂う、重たい空気を孕んだ潜水艦のポスターだった。そのころ北朝鮮の潜水艦事件があったばかりで新聞もテレビもそのニュースだらけ。だからポスターも正に緊張感をもって事件を警告しているかのように思えた…の…だけど…それは、実は映画「ユリョン」のポスターだった! あぁ勘違い(苦笑)。でもつまり韓国にとって潜水艦は身近な問題で、本作のような“物語”=“実際 にさもありなん”ってとこが熱い誤解を招いたわけで、ミン監督も「現実の状況をエンターテインメントにしたら」こーゆー映画になったと言っている。だけど意外なことに韓国において潜水艦映画はこれが初めの一本。しかもその内容は、大韓民国初の原子力潜水艦《幽霊(ユリョン)》が事始に日本を壊滅して第三次世界大戦を誘発させようという、ヤバイほどに在りそうな物語。そして600mの深海で繰り広げられる陰と陽の二人の乗組員による濃厚にして熱き攻防戦。MTV出身の監督らしいカラフルな原色使いの画面が異様な空気を醸造している。

(大林千茱萸)

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