「人間の描き方は秀逸でした」ゆれる よしさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の描き方は秀逸でした
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幼なじみの女性が吊り橋から墜落死した事件を巡る、兄弟の軋轢と絆を描く物語。
オダギリジョーと香川照之が共演する「サスペンス」・・・ではなく「人間ドラマ」ですね。
父親の期待を背負い、真面目に生きてきた兄。
父親に反発し、東京でカメラマンとして自由奔放に生きている弟。
母親の葬儀の為に帰郷した弟が、兄が想いを寄せる幼馴染と関係を持ったことから、二人の関係もゆれていきます。
抑圧されてきた兄の不満が迸る様子は、迫力があり画面に引きつけられます。
ただ、もしこのストーリーを作るのであれば、「兄が想いを寄せる幼馴染」をもう少し見せた方が、より説得力を感じたのではないかとも思います。
ラストも少し辻褄があいません。豹変した兄に不利な証言をする弟。しかし、実は女性は自ら落ちたことを目撃していて・・・悔恨の念にかられます。しかし、この設定なら、そもそも最初から「自分で落ちた」「兄は助けようとした」と証言をするはずで、「観ていない」という証言は腑に落ちません。
人間の描き方としてはとても良く出来た映画だったので、少し残念に感じました。
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