劇場公開日 2007年2月10日

「重いテーマに気が沈むどころか むしろ優しい気持ちに」善き人のためのソナタ いけいさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 重いテーマに気が沈むどころか むしろ優しい気持ちに

2025年8月24日
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鑑賞方法:VOD

本作の評判はこれまでに何度か見聞きしてきて、冷戦時のドイツ問題ものは気が沈みそうだなぁ…とあえて避けてきたが、やはり第79回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品であれば一度は観ねばと、配信見放題終了間近を機に思いきって鑑賞。
観終えるとこれは意外や意外、気が沈むどころかむしろとても優しい気持ちに。
前半は思った通り重々しい雰囲気だったし、終始不穏な緊張感は続き、やはりいたたまれない悲劇も起こってしまうのだが、主人公の心の動きに観ているこちらも自然と溶け合っていき、気がつけば予期せぬほど心が温かくなっている。
ストーリーも良いが邦題もとても良い。「善き人のためのソナタ」なんとも言えぬ優しく平和な響きがある。原題の直訳ではここまでの雰囲気は出せなかっただろう。
いずれにしても、アカデミー賞外国語映画賞受賞は伊達ではない。思いきって観て本当に良かったと思える作品だ。

いけい
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