「鬼才の作家性が爆発した、サスペンス映画の金字塔。」セブン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
鬼才の作家性が爆発した、サスペンス映画の金字塔。
雨の降り続ける陰鬱な街を舞台に繰り広げられる「七つの大罪」をモチーフにした猟奇的殺人を解決する為、熱血刑事ミルズと老練な刑事サマセットが真相を追い求めるというサスペンス・スリラー。
監督は『エイリアン3』の、鬼才と称される映像作家デヴィッド・フィンチャー。
主人公ミルズを演じたのは『トゥルー・ロマンス』『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の、後のオスカー俳優ブラッド・ピット。
ミルズの相棒サマセットを演じたのは『ショーシャンクの空に』『アウトブレイク』の、伝説的名優モーガン・フリーマン。
ミルズの妻トレイシー役には『フック』の、後のオスカー女優グゥイネス・パルトロー。
狂気の犯人ジョン・ドゥを演じたのは『ワーキング・ガール』『アウトブレイク』の、レジェンド名優サー・ケヴィン・スペイシー。
第5回 MTVムービー・アワードにおいて作品賞を受賞!
10年以上前に鑑賞した際、高校生だった自分にとんでもない衝撃を残した作品。
久しぶりに鑑賞したが、話の筋や衝撃的なクライマックスを知っている状態でも十分に楽しめた!
ブラッド・ピット演じるミルズは乱暴で感情的だが、情熱に燃える若い刑事。
対するモーガン・フリーマン演じるサマセットは知的で穏やかだが、犯罪の蔓延るこの街に嫌気がさしている定年間近の刑事を演じている。
いつものブラピといつものモーガン・フリーマンといった感じで意外性はないが、安定感は抜群なキャスティング。
対照的な2人の刑事が、事件を追いながら交流を深めていくというバディ・ムービーとしても良くできていて楽しめます。
舞台となる雨の降りしきる陰鬱な街は、『バットマン』のゴッサムシティや、『ブレードランナー』のLAを思い起こさせる。何かとんでもなく邪悪なことが起きる気配がプンプンしている…
「銀残し」というテクニックで撮られた映像は、明暗のコントラストが非常にハッキリと現れており芸術的でカッコ良い。作品の持つ恐ろしさや狂気性を際立たせてくれている。
猟奇的な連続殺人が次々起こる展開に加え、ニアミスした犯人とのアクションシーンまである、観客を飽きさせないサービス精神旺盛な映画でもある。
とにかくテンポが良いので、作品の内容に反して爽やかさや子気味良さすら感じる。
無関心さが美徳とされる世界に嫌気がさしているサマセットと、自らの罪に無関心な市民に対して罰を与えようとするジョン・ドゥは、立場こそ違うが相似的なキャラクターとして設定されているところが面白いと感じた。
キリスト教的宗教観を持つ作品だが、キリスト教徒でなくとも共感することのできる作品。
とにかく作品のクオリティが高いので楽しめるのだが、内容が内容だけに繰り返して観るのはかなりしんどい。
クライマックスの展開は好き嫌いが分かれるかもしれないが、「7つの大罪」がモチーフである以上、「憤怒」の罪に対する罰により、7人の被害者が揃ったところで幕を下ろすというのは非常にスマートだなと個人的には感じます。
talisman様
返信ありがとうございます😊
エンディングの衝撃は勿論凄いのですが、それぞれの殺害方法が怖くて仕方なかったです(;_;)
死ぬまで食べさせられるとか考えるだけでガクブルガクブル…((((;゚Д゚)))))))
たなかなかなか様、ファイトクラブの方にもコメントありがとうございます!こちらにお返事いたします。セブンは確かにトラウマになってしまう可能性、有りますね。私、頑丈なので、大丈夫ですが。