劇場公開日 2000年9月2日

ワンダー・ボーイズ : 映画評論・批評

2000年8月15日更新

2000年9月2日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

「L.A.コンフィデンシャル」の監督最新作

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若くして文壇デビューし、神童(ワンダー・ボーイ)と脚光を浴びながら、今やスランプの中年作家。3度目の妻にも去られ、浮気相手の女性からは「妊娠したわ」と告げられる。公私共にどん詰まりの彼の前に、風変わりな新世代ワンダー・ボーイが現れて……。

新旧ワンダー・ボーイズと、2人にからむ編集者。この編集者自身、かつては名を鳴らしたものの、最近はベストセラーに縁がなくてリストラ寸前。過去は過去と割り切りたい気持ち半分、夢よもう一度の未練半分。これはワンダー・ボーイに限らず、どんな人だって年齢と共に抱えるようになる人生の迷いだろう。過去の蓄積が増え、経験を積めば積むほどワンダー(驚き)は減る。つまり、ワンダフルの逆になるわけで、このへんの苦渋をいつになく油っけのないM・ダグラス(若い女性に目もくれず地味な熟女を選ぶ!)が巧みに表現。対するT・マグワイアは「サイダーハウス・ルール」に続いて、無垢とオタクが同居したような不思議な個性で応戦。「L.A.コンフィデンシャル」で名を上げた監督ハンソンが、きめ細かい演出で“職人技”を見せてくれる。いかにもアメリカ人好みのエンディングがやや出来すぎの感もあるが、人生の滋味を感じさせる大人向けの一作だ。

田畑裕美

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