劇場公開日 2006年9月16日

「素晴らしい純粋なクルマ映画」ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT pipiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0素晴らしい純粋なクルマ映画

2023年5月22日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

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幸せ

ショーンくんのように日本の予備知識がないアメリカ人が突然日本に来ることになったなら日本の家の狭さに驚くだろうなー、と思ったのが第一印象。しかし、そんな狭い東京ならではのレースとしてドリフトをメインテーマにしたのは非常に面白い!
(「日本」と言えばYAKUZAって1つのイメージがあるのかな?街の描き方がどことなく「ブラックレイン」だと感じましたw)

もちろんドリフト走行自体は古くからあるテクニックだ。(別に日本発祥ではないからね。誤解しないで欲しい)
F1でもサイドウェイロニーと呼ばれたロニー・ピーターソンや彼の影響を受けたジル・ビルヌーヴが1970年代にもダイナミックなドリフトをキメていた。
しかし、ドリフトをモータースポーツの1カテゴリーとしてエンターテイメントにまで育てあげたのはドリフトキング土屋圭一を始め、雑誌Optionのビデオ版が開催した「いか天」(バンド天国じゃなくて走り屋天国w)、更には誰でも知ってる「イニシャルD」ではないだろうか。
F1ドライバーにはなれなくても、ドリフト走行ならば真面目に練習しさえすれば誰でも習得出来ないこともない身近なテクニックになったのだ。(いや、慣性ドリフトとかマジで無理ですけど。すいません(笑))

直6、V6、ロータリー、車達が奏でるガチなサウンドを聴いているだけで本当に楽しい。
駐車場ビルにてのドリフトレースも楽しいし、夜間に5台並んで峠でリアを流しまくる様は実に美しかった。
見慣れた渋谷の街並みを切り割き、狭いコーナーでドリフト決めていくのも痛快だし、クライマックスのタカシとの峠バトルでは至る所で動画撮影されていてモニターで車が追えるという点に「峠バトルでギャラリーするのもここまで進歩したかぁー」と感慨まで覚えてしまった(笑)
タカシのZもハンのFDもショーンのエボもいいよねぇ。あのFD、めちゃくちゃ欲しいわwトゥインキーのハルクワーゲンはいらんけど、あれはあれで面白いw

ドリフトの初心者練習と言えばまずは埠頭と相場は決まっているが、釣り人のおっちゃんが「カウンターステアが遅いんだよなぁ」とやけに的確な呟きを。おや?っと思ってよく見れば土屋さんじゃないですか!(爆笑)カメオ出演してたのねw

親父さんの70年代ムスタングに初戦でボロボロになったシルビアの心臓を積み替えるのも熱いしね(でもRB26だったよねwハンってば換装してたのね)

しかし、ショーンくん。日本にハンがいて良かったねぇw
ショーンはどことなくブライアンが重なるし、トゥインキーはこのまま成長したらテズっぽく育つかな?と思った。
オトナの裏事情を聞けば、2作目はヴィン・ディーゼルがシナリオが嫌いで出演を断り、3作目は今度はポール・ウォーカーがシナリオに不服で拒否したとか。
ルーカス・ブラックは少しでもポール・ウォーカーに近い雰囲気が出せる若手を探したんじゃないか?という気がした。

もし、ポール・ウォーカーで「東京ドリフト」を撮っていたら一体どんな映画になっていたのだろう?高校生設定は無理だろうからますますブラックレインになったかなw(RB26はGT-R好きのブライアンの為の設定だったんじゃなぁい〜?)
ヴィン・ディーゼルはラストにカメオ出演した事で、シリーズをもっと続けたくなっちゃったんだね。
かくして、ヴィン・ディーゼルが製作に深く関わる事になり次作からはまるで違ったワイスピに生まれ変わるわけであります。
大ヒットしたのは4作目以降だろうけど個人的には1〜3作目のストリートレース映画が好きでありました。
(ファミリーが、とか、ワイスピらしくない、とか、番外編という声には非常に違和感。この時点でまだ1〜3作品しかこの世に存在していないんですからね。)

「ストリートレース映画」こそがワイスピであり、ファミリーやハンの設定こそが後付け。
1作目でゼロヨン、2作目で公道1周コース、そして3作目でドリフト。
前作、前々作のコンセプトを継承したよく出来た「車映画」でした。

pipi