劇場公開日 2000年12月9日

ホワット・ライズ・ビニース : 映画評論・批評

2000年12月1日更新

2000年12月9日より日本劇場ほか全国東宝洋画系にてロードショー

“ヒッチコック風”のクラシックな恐怖を堪能

おたくでありながら、常に自作を大ヒットさせ、ついにはオスカー監督になったゼメキス。こうなると眩しすぎちゃって、なんだかちがう世界の人。しかもこの新作はフォード&ファイファーの二大スターを起用したスタイリッシュなサスペンスホラーだし……という思いは、ちょっと長すぎる前半だけ。それが過ぎると、えっ、これってもしかしてと気になりはじめ、音楽が突如、激しく鳴り響く段に至って、ああ、やっぱりと顏は弛みっぱなし!

そうなのだ。この映画、ヒッチコックへのオマージュ作品。その音楽は「サイコ」まんまで、そうやって見ると前半にも「裏窓」やら「めまい」やら「断崖」やらの要素がたっぷりだったことに気づいてしまうのだ。

つまり彼はここで十分おたくしているってこと。床に横たわるヒロインを捉えるカメラが下降し、ついには彼女を見上げるアングルになるカットを見ていると、ゼメキスってヒッチのこだわり<映像的驚きがサスペンスを盛り上げる>的表現に傾倒しているのがよーくわかる。

確かに怖い映画でもあるのだが、彼のヒッチコキアンぶりがわかると、その濃いおたくっぷりに笑いが込み上げてくるのも事実。ラストだって、もろアレだもん。ただしここ、目をこらしてないと気づきませんよ。

(渡辺麻紀)

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