火山高 : 映画評論・批評
2002年12月2日更新
2002年12月14日より渋谷東急3ほかにてロードショー
アクション世界の徹底ぶりに笑って降参したくなる
昔、小林旭主演の渡り鳥シリーズなどの日活アクションが、無国籍映画(良い意味ではない)と呼ばれたことがあったけど、「火山高」もまさに、無国籍(これは誉め言葉)。
いつの時代とも知れず、刑務所のように荒涼とし、「マイノリティ・リポート」にも負けない冷たくエッジーな色調で描かれる火山高校の校舎。秘めたる力を封印された曰くありげな茶髪でハンサムな高校生、ガクラン姿も凛々しい美少女剣士、などなどの登場人物にしろ、校内の覇権を握る鍵となる巻物という設定にしろ、いったい、どこの国の映画なのか分からない無国籍ぶり。ぼくらがいちばんピンとくる表現をすれば、まさに「少年ジャンプ」の武闘マンガの実写版のごとし。
そんなまったく破天荒かつ荒唐無稽なドラマを、ワイヤー・アクションとデジタル加工の華麗で突拍子もないアクションを矢継ぎ早に繰り出し、一瞬たりとも飽きさせず、「マトリックス」も真っ青なくらい、見せる、魅せる。
このアクション世界の徹底ぶりは、笑って降参したくなるほどパワフルで圧倒される。スカッとしたい方はぜひとも日本語吹き替え版で堪能していただきたい。
(高橋良平)