「お父さんに金賞を」北京ヴァイオリン きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
お父さんに金賞を
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捨て子、養子、そして迷子の映画は辛いよ
13歳のチュン、
彼を助けたいと願った優しい人たちが、幾人もチュンの周りに集まって“協奏曲”を奏でるのだなあ・・
これは人の情けの協奏曲だ。
情動を突き動かされる。
「自分は小心者なのでチュンのコンクールを見届ける勇気がない。田舎に帰ります」
とペコペコ頭を下げるお父さんですが、何をおっしゃいますか!あなたこそ突破口。最大の冒険者。愛の具現者です。
あなたこそが、この物語の最大のヒーローなんですよ。
映画が終わって、
エンディングシーンでの北京駅でのチュンならずとも、つぶる眼(まなこ)に にじむのはお父さんの あの人の良い笑顔でした。
涙がまぶたを突き破ります。
今はやりのトレンディドラマではないけれど、こんな中国の朴訥な映画はなぜだろう僕らを泣かしてくれますね。
心の澱が洗い流されて気持ちが清められました。
それにしても
これだけの名曲を世に残し、世界中の奏者がこの曲に挑み、そしてこの協奏曲をばクライマックスに据えたいくつもの映画も作られていて 我々はそこに感極まって涙を流す。
嗚呼、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーよ、天国のあなたも本望だろう。
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チェン・カイコー監督の他作品「さらば、我が愛、覇王別記」も、やはり親と切り離された子供たちが主演です。
あと
「あの子を探して」
「最愛の子」。
「オーケストラ!」のチャイコフスキーも◎
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