「【名匠ポール・グリーングラスが悪夢の9.11連続テロ犯と、政府の後手後手に回った対応への怒りと身を持ってテロリストの狙いを防いだユナイテッド93便に乗り合わせた乗客達の姿を鎮魂の思いで描いた作品。】」ユナイテッド93 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【名匠ポール・グリーングラスが悪夢の9.11連続テロ犯と、政府の後手後手に回った対応への怒りと身を持ってテロリストの狙いを防いだユナイテッド93便に乗り合わせた乗客達の姿を鎮魂の思いで描いた作品。】
ー 序盤のノンビリとした空気が、次々に飛行機がハイジャックされ、ワールドトレードセンターに二機が突っ込んだという事実が、明らかになる過程で管制官達が驚愕の表情を浮かべつつ、前代未聞の出来事に必死に対応する姿に、申し訳ない限りだが物凄い勢いで目が釘付けになって行く。-
<Caution!内容に触れています。>
・映画は、ドキュメンタリータッチで描かれる。テロリストたちは宿泊地で祈りを捧げた後に落ち着きのない表情で飛行機に乗り込む。
・乗客たちは、空の旅を楽しむ人、仕事をする人、スチュワーデスに頼みごとをする人、様々である。
・だが、テロリストたちがコックピットになだれ込む瞬間から観ていて、心拍数が物凄く上がってしまう。機長、副機長は殺され、テロリスト二人が操縦桿を握る。
・その事実を知ったスチュワーデスの表情。そして、乗客たちはコックピットで何が起こっているのか、自宅に電話を掛け、ハイジャックされた事実を知り周囲の人に告げていく。
・多くの乗客は家族に涙を流しながら、携帯電話で”I Love You・・。"と告げている。
・勇気ある男性客数名が、コックピットやテロリストの状況を次々に後部座席へ伝言し、テロリストの隙を突き、コックピット外のテロリストを捕まえ、更にコックピットに流れ込み、操縦桿を奪うも、機は地上に向かって落ちて行き、画面は暗転する。
<エンドロールに無音で流れるクレジットが観ていて辛い。
だが、乗客たちの正に献身の行為で、ユナイテッド93便は米国の建物に突っ込む事無く、テロリストたちの思惑を防いだのである。
今作は、ポール・グリーングラス監督がテロリストと、後手後手に回った米国政府首脳への激しい怒りと、9.11のテロで亡くなった全ての方へ鎮魂の思いで、綿密なリサーチの元に制作したドキュメンタリータッチのノンフィクション・サスペンスなのである。>