スリーパーズのレビュー・感想・評価
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陰鬱な前半からの後半看守たちをじわじわ追い詰めてく復讐が爽快
2時間30分と長時間ながらも飽きずに楽しめた。陰鬱な前半からの、後半看守たちをじわじわ追い詰めてく復讐が爽快で面白い。
ノークス(ケヴィン・ベーコン)のねっとりした嫌らしい演技がハマり役。あんな看守いたら絶対心壊れちゃうよ...乗り切った少年たちの精神力すげーな。最後のノンフィクションか否かのテロップが意味深。実話なのかどうかが気になる。
気になったのは、ボビー神父(ロバート・デニーロ)の証言するかしないかの葛藤が薄かったこと。映画的には最後証言してハッピーエンドになるんだろーなーと分かったけど、決意の理由をもうちょい丁寧に観たかった。
復讐と贖罪?
名優たちの演技に惹きつけられる2時間半。退屈せず見終えたが、主人公たちが重傷を負わせた人間がいることがおざなりになっていないだろうか?看守たちが最低のクズであることは疑いようもなく、復讐も結構。だが最後の最後、主人公らが犯した罪に思いを馳せる場面やセリフがあっても良かったと考える。
神がやらねど街がやる。 超豪華キャストでおくる地獄の『スタンド・バイ・ミー』。
ニューヨークのヘルズ・キッチンを舞台に描かれる、かつて少年院で地獄のような性的暴行を受けていた4人の男たちによる復讐悲劇。
性暴力の被害を受けた4人組の1人である検事補、マイケル・サリヴァンを演じるのは『セブン』『12モンキーズ』の、名優ブラッド・ピット。
少年たちの良き友人でもある神父、ボビー・カリロを演じるのは『ゴッドファーザーPART Ⅱ』『タクシードライバー』の、レジェンド俳優ロバート・デ・ニーロ。
アルコール中毒の弁護士、ダニー・スナイダーを演じるのは『クレイマー、クレイマー』『レインマン』の、レジェンド俳優ダスティン・ホフマン。
少年院を仕切る邪悪な看守、ショーン・ノークスを演じるのは『13日の金曜日』『アポロ13』の、名優ケヴィン・ベーコン。
ニューヨーク出身の巨匠マーティン・スコセッシは幼少時代ギャングと神父に憧れており、どちらの道に進むか悩んだ挙句神父を志すことにしたという。その理由は、偉そうにしているギャングも神父の前ではペコペコするから。
60年代後半から81年まで、ギャングやマフィアの跋扈する無法地帯からヤッピーが仕切る高級住宅街へと変貌を遂げつつあるヘルズ・キッチンで繰り広げられるこの復讐劇を観れば、スコセッシがなぜ正反対とも思えるその2つの職業に、特に神父の方へ強く憧れたのかがわかるだろう。
『レインマン』(1988)でオスカーを獲得した名匠バリー・レヴィンソンが監督を務める本作。疎遠になった、あるいは命を落としたかつての親友との思い出を物書きになった主人公が回想する、身も蓋も無い言い方をすれば犯罪版『スタンド・バイ・ミー』(1986)みたいな映画である。
ただ、本作はジュブナイルもの、監獄もの、ギャングもの、法廷劇と、物語が進行するにつれコロコロとその色が変わってゆく点がとてもユニーク。テンポ感も程よく、147分という比較的長めの尺でありながら全くダレる事がない。
少年への苛烈な性的虐待シーンは目を覆いたくなるほど陰惨であり、こういった描写に抵抗感を示す観客もいる事だろうとは思う。ただ、非常に見応えのある作品であることは確かだし、後半の展開はスリリングでエンタメ的にも楽しめる。一見する価値のある良作であることは声を大にして言っておきたい。
レヴィンソンの地に足のついた演出と、『グッドフェローズ』(1990)の撮影監督ミヒャエル・バウハウスによる、これぞマフィア映画だと言いたくなるような堂々とした画面作り、そして巨匠ジョン・ウィリアムズによりスコア。どれをとっても卒がない。若々しさはないが、クラシカルな佇まいがとてもキマっている映画だと思う。
ただ、脚本には正直首を捻りたくなる点が多い。
一番大きな問題点だと思うのは、ブラピ演じるマイケルの計画を事前に明かしてしまっていること。憎き宿敵ノークスを射殺したジョンとトーマス。法廷での裁判で、検事として現れたのはかつての親友マイケルだった…。一体なぜマイケルがジョンとトーマスを有罪に追い込むような立ち回りを見せるのか、そこを伏せておけばミステリー的な要素が生まれ、観客の物語に対する興味もより強まった事だろう。敵だと思っていたマイケルの計画が、最後の最後で明らかになる。絶対に映画としてはこっちの方が面白くなったと思うのだが…。
もう一つ気になったのは、ノークスを一番最初に殺してしまったこと。ケヴィン・ベーコンの怪演も相俟って、死ぬほど憎らしい悪魔として我々の前に姿を現したこのノークス。観客としては当然、クライマックスでの彼と4人との対決を期待してしまう。
そんな彼を第三幕の開始と同時に退場させてしまうというのは勿体なさすぎ。しかもノークス殺害は突発的なものであり、特に長年の計画が身を結んだという訳でもない。なんかこう、受けた虐待に対しての仕返しがあっさりしすぎていていまいち腑に落ちなかった。
ジョンとトーマスが射殺するのは別の看守ということにしておいて、ノークスへの復讐は一番最後に、しかも一番苛烈な方法で行った方が観客の溜飲はより下がったことだろう。
ブラピ、ベーコン、デ・ニーロ、ダスティン・ホフマンという、とんでもないキャスト陣が集結した本作。さらに、ブラピの幼少時代を演じているのは夭折した名優ブラッド・レンフロなのだというから驚かされる。この再集結不可能な超豪華キャストを見るだけでもこの作品を鑑賞する価値は十分にあるのだが、ここでも気になる点が。
せっかくデ・ニーロとホフマン、二大巨頭が共演しているのにも拘らずこの2人の共演シーンはほとんどなし。それならせめてブラピとデ・ニーロの共演シーンをもっと見せてくれても良さそうなものなのだがそれもほとんどない。なんかこういうところにすごく勿体なさを感じてしまう。
もっとも、デ・ニーロとホフマンはレヴィンソン監督の次回作『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』(1997)という作品で共演しているようなので、この2人の絡みはそこで観られるのかも。未見なので詳しいことは分かりませんが…。
このデ・ニーロやホフマンの演じたキャラの掘り下げの薄さも気になるところである。特にホフマンが演じた弁護士なんて、ただの酔っ払い以上の役割無いじゃん!!
デ・ニーロ演じる神父の、義侠心と信仰に板挟みになる心境なんてとても興味深いものがある。そこをもっとクローズアップしてみせることも出来たかと思うとちと残念である。
結局神父は彼らへの友情と何もしてやれなかった後悔とが重なり、神の教えに背く行為をしてしまう。気になるのは、ここで彼がもし嘘の供述をしなかった場合、確かにジョンとトーマスは刑務所にぶち込まれたかもしれないが、もしそうなっていればその後路地裏で彼らが殺されるなんていう悲劇は起こらなかったはず。結果として神父が神に背いた結果、2人の命は失われてしまった。そのことに対し、果たして神父はどう思っているのか?やはり法廷で嘘をついたことを悔やんでいるのだろうか?
そこが明らかにされていない点が少々ノイズになってしまった。そこを描けとまでは言わないが、せめてクライマックスでの登場人物のその後が語られるシーンで、神父についても言及すべきだったように思う。
まぁあとはヒロインの扱い方がヘナチョコすぎることも気になる。こんな微妙なキャラにするくらいなら最初から出てこない方が良かったんじゃ…?
なんて、なんか思っていた以上に色々と突っ込んでしまったけど、とても楽しんで鑑賞しました。楽しんだからこそ、ちょっと色々とモヤモヤしてしまったということです。
ベーコンが出演していたり、少年への性的虐待がキーになっていたりと、イーストウッド監督作品『ミスティック・リバー』(2003)を思い出す作品でした。イーストウッドはもしかしたら本作を参考にしたのかも。
細かいことは気になるが、十分現代でも鑑賞に耐え得る作品。割と顧みられることのない作品のような気がするが、若い映画ファンにこそ観て欲しい🌟
…この映画は原作者ロレンツォ・カルカテラの実話に即しているらしい。公開時、どこまでが真実なのか論争を呼んだらしいのだが、これ絶対に内容盛ってると思う😅いくらなんでもこれが100%実話というのはねぇ。
『アメリカン・フィクション』(2023)という嘘の自伝がトラブルを招くみたいな映画があるようなのだが、なんかそれみたいだな…。
清算
名優が揃い踏みで中々豪華な映画。
スカッとするタイプの復讐劇ではなかった。
それとケビン・ベーコン以外の看守達の影が薄いのが残念だったかな。
少年達への虐待シーンなんて極力見たくないけど、他3人の非道ぶりを強調した方が良かったかも。
また、食堂で助けてくれた黒人の看守が裁判に呼ばれなかったのがちょっと残念だったな。
スリーパーズ
【ピロシの映画レビュー⑧】
邦題 スリーパーズ
原題 Sleepers
⚫︎監督
バリー・レヴィンソン
⚫︎脚本
バリー・レヴィンソン
⚫︎出演者
ケヴィン・ベーコン
ロバート・デ・ニーロ
⚫︎公開
1996年
⚫︎上映時間
147分
⚫︎ジャンル
サスペンス系
Netflixで今月末までの配信ということで慌てて視聴😆
⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
ある事件をきっかけに酷い目に遭ってしまう少年たちが主人公。
イタズラってイキすぎると怖いな〜😅
監獄モノでいうと、ショーシャンクでも描かれていましたが、刑務所での男色性虐待って現実結構あるんですかね?。セクシャル的にグロい方面が嫌いな方にはおすすめしません🥶
少年らが刑期を終えて出所後にケビンベーコンさん演じる一番ワルの看守(役名ノークス)と再会して、あっさりと射殺してしまうのですが、彼に復讐するなら一番後でも良かったような。もう少し引っ張っても良かったかな。ケビンさんが何故落ちぶれてしまったのかの背景が描かれていないのでその辺も物足りない😭
相当とんでもないことしていただけに、リベンジも相応でないとスッキリしないところが視聴者的にありあり笑
逆に言うと有無を言わさず即銃殺というところに怖さを演出したのかもしれませんね〜。
主役が淡々と過去を振り返りナレーションしていくところも情感あり良かったです。
名俳優オンパレードの今作で、ダスティンホフマンさん演じる弁護士さんが一番印象に残りました。あっ、それとブラピさん改めてカッコいいと思いました笑
後半展開が読めてしまったところもありましたが、リベンジスッキリカタルシスムービーではなく、男の友情物語として観るのが正解だとすれば、なかなかに面白い映画ではないでしょうか。
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前情報なしで観るのを推奨、苦手ならリタイアしましょう。
悪ガキたちがイタズラしてた時に誤って人を事故死させてしまうところから物語が動く。
実話かフィクションか、おもしろい作品。
復讐もの。
復讐の方法が
直接的間接的殺害 刑務所送り 社会的に抹殺と色々なバリュエーションがあり
ただ単に殺して終わりの復讐ものとは少し違いがある点良かった。
大人になってから罪を犯して、同じ囚人にこういうことを強要されたってのはよく聞くんだけど、この子らは子どもスタートで受けているからダメージが違いすぎる、まだ自我?自分の指針のようなもの?自分が何か知れている大人と違い、そういうのがまだ不安定なままと思うんだね、受け取り方が違いすぎるってことがよく分かった。
汚職警官となった看守に復讐するために準備した証拠らに抜け目がなく完璧で、
驚いた刑事にスカウトされた時に返したセリフが秀逸。
「刑事になってみないか?」 (間) 「正義を捨てて?」
彼の中では、刑事になる一歩目がまず正義を捨てるところからなんだ。って
そこまで正義やヒーローてきなものは彼の中から現実に存在しないファンタジーの存在として薄れてしまっていたんだ。ってここのセリフだけで色々想像できてしまった。
こういうところだったり、
少年院の中での感情とか心の中の表現が生々しすぎて、どこまでかはわからないけど似たようなことが本当にあったんだって自分の中では思った。
最後の会食で救われたよ、ありがとう。
エゲツない
昔観たけどどんな話か忘れちゃったので、再鑑賞。
結果「自分よく忘れられたな!?」と思うぐらいエゲツない話やった。特に前半は酷すぎる。スタンドバイミーかと思うぐらいのキラキラな少年時代、からの少年院の落差が酷すぎて、見てるだけで鬱になりそう。しかしケビンベーコンは嫌な奴を演じさせたらほんまにピカイチやな。変態鬼畜看守達があまりにも酷すぎて、心がかなりしんどかった。
レイプシーンそのものの描写は無いものの、叫び声、泣き声、どんどん濃くなる目の下のクマ、どんどん暗くなる表情、それだけで少年たちが受けた心身の傷を察することができて、神父デニーロに成り代わって慰めてあげたくなった。
しかし大人になってからの後半のストーリーは結構駆け足だったので残念。ノークスは見つけた途端殺してしまうし、ファーガソンは法廷でじっくり罪を告白させるが、あとの2人の復讐はほぼ語りだけ。もっと時間をかけて、罪を認めさせて償わせるぐらいじゃないと、前半のストーリーに対して割に合わないのでは!?と感じてしまった。
同じような話で、レイプ加害者に法廷で報いを受けさせるジョディフォスターの告発の行方(ちなみにこちらのレイプシーンはトラウマレベルでエゲツない)を思い出して少し似ているかなと感じた。しかし法廷劇・復讐劇という点では、本作の方は少し見応えが足りないかな…
いかにして復讐するかよりも、同じ傷を負った男たちの友情やヘルズキッチンの絆、神父に嘘をつかせてまで貫きたい正義、といった要素に重きが置かれている分、後半にいろいろ詰め込まれ過ぎて、少し尻切れトンボに終わった印象。
とは言えキャストも豪華で重厚感もあり、在りし日のブラッドレンフロ君が出ている貴重な映画でもあるので、そういう意味での見応えはあります!
余談やけど、少年に対する性的虐待の映画って結構聖職者による被害を描いたものが多いイメージだったが、この映画ではデニーロがあくまでも聖職者のまま少年たちの心の拠り所的としてあり続けるので、その点では観客としても少し救われたかな。
いい話ではない
とてもよくできた映画だと思います。豪華キャストでとても面白かった。
K.ベーコンを「復讐されて当たり前のキャラクター」にするために1時間以上を費やしました。殺されても仕方ない奴だと思います。
だからといって殺人者を神父の嘘の証言で無罪にするというのには到底納得できません。復讐のリンチを正当化することですからね。まあそこがメインの話なんでしょうがないのですが後味が悪いです。私にはいい話とは思えません。
他の看守が受けたような「天罰」がK.ベーコンにも下る、という話になってれば快哉なんですがねえ。
ヘビーなスタンドバイミー
ヘルズキッチンに住む4人の少年がイタズラのつもりが誤って人を殺してしまい少年院に。
そこでは少年への虐待が日常茶飯で辛い1年を過ごすことに。
出所しても傷は癒えず、誰にも話すこともできないまま、それぞれ別々の道に。
月日が流れ、虐待の主犯の元看守に再会した2人は、元看守を射殺。
それをきっかけに復讐裁判が始まる。。。
これ原作者は場所や名前は変えた実話といい、政府は実在しないという実はかなり社会派な作品。
そんでデニーロやっぱかっこよす👍
だいぶ昔の作品ですが、当初衝撃を受けたのを覚えてます。 再見しまし...
だいぶ昔の作品ですが、当初衝撃を受けたのを覚えてます。
再見しましたがやっぱり大好きな作品です。内容はとても重いし実話ですので胸に突き刺さりますが、豪華すぎる役者揃いでお腹いっぱいです!
ラストみんなが揃って笑顔いっぱいのシーンはジーンときました。
仲間が2人を無罪にした事によって皆んなが少しでも良い道に進んでくれれば良かったけど、この2人若くして亡くなってしまった事が何より凄く悲しかった。
今回は悪役のケビンでしたが、大好きな役者です。
街ぐるみで出身少年達の敵討。背景を見よう。
4人の少年達の、罪と、それぞれの人生を通して、その人生は、その心の傷は、その選択はどこから??
その背景を辿って考えさせられる作品。
客観的に語られるだけでも、心境を想像すると作中起きる殺人事件は一概に4人だけが悪いとも言い難い。
ヘルズキッチンがどんな街なのかの概要説明の前半が、ラストに非常に効いてくる。
決して治安は良くないし、世帯収入は低め、野球チームや教会で地域の結束感がすごい地域でもなく、お金がなくても音楽や愛に溢れたあったかい地域でもなく、ギャングもいれば少年院卒の神父もいる。
アイルランド系プエルトリコ系イタリア系などのルーツを引く者達が、弱者とならぬよう守りあって暮らす暗黙の掟がある裏社会とも繋がるちょっと危ない街。
その街で、家庭環境などと悪ふざけが合わさって、友達同士つるんでは軽い気持ちで悪さをするシェイクス、マイケル、ジョン、トミーだったが、ホットドッグを食い逃げする延長でホットドッグワゴンで地下鉄の出入り口にいた無関係の老人を殺人未遂してしまう。
4人は少年院に1年半以内の期間で入るが、看守達に性的虐待や暴力など、人目がなくどこにも漏れない閉鎖的環境なのを良い事に人権無視の酷い目に遭う。特に酷いのが少年に性的嗜好があるノークス。他も同類。
出所して大人になったが、ジョンとトミーはギャングになる人生で、マイケルは検事補になり、シェイクスはライターになっていたが、それぞれが心に受けた傷は癒やされることなく封印して生きていた。
偶然再開したノークスを、撃ち殺したジョンとトミー。
その行いを、「sleepers」少年院上がりの危険なギャングの犯行として片付けられる見るのかどうか。
少年達の生育歴や少年院で何をされどんな傷を負い、それが将来にどう響いているのか。
考えさせられると共に、看守達への復讐の火蓋が切って落とされる。
してしまった罪は殺人の大罪で、ジョンとトミーは他にも殺害容疑にいくつもかけられていて、正当防衛どころか、普通は庇う余地がない。
ただし、看守達にされた約1年が4人の一生に与えている影響は限りなく大きい。
4人には幼馴染の女子キャロルがいるが、マイケルはキャロルのことが好きなのに、少年院で受けたトラウマゆえ、成人しても恋愛の発展が難しい。
検事補になった目的も、看守達への復讐。
4人とも、虐待で受けた記憶は封印し、信頼している人が相手のコミュニケーションでも、手を差し伸べられても、その時の記憶や感情が蘇るのが恐怖で、心を開けない。
ジョンとトミーはもはやギャングになるしかなかったのだろうし、ノークスを見て、迷いなく撃殺。
シェイクスは映画の上映時間記事を書く半人前ライター
になりながら、今もヘルズキッチンの色んな人と繋がっている。
大人になった4人だが、それぞれのベースには少年院での仕打ちがある。
受けた傷を復讐するためにマイケルとシェイクスが手を組んだ時、街の周りの大人達が動いてくれる。
その過程が、昔も今も目を覆いたくなる4人の現実の細い頼みの綱となり、温度を感じられる作品。
街の人々の裏も表もリアルに知る、善を語る偽善だけではないボビー神父をロバートデニーロが演じている。
4人を子供の頃からその親以上に見守り、頼られて応えようとしてくれる。
街のギャングの親玉、キングベニー経由でジョンとトミーの弁護を引き受けてくれた、アル中弁護士スナイダーを演じているのは、ダスティンホフマン。
陰鬱になる描写が多く、少年達に感情移入すると精神的にも、身体的にも、社会的にも、将来的にも、性的にも、全てにおける絶望的な孤独に苛まれる作中で、ロバートデニーロとダスティンホフマンのタッグの登場はとても心強く、安心する。
例え悪さをする少年達であっても、どんな形であれ、キングベニーやボビー神父は子供の頃から目をかけていて、大人になってからも訪ねられる存在でいる。他にもロレンツォやマイケルからの連絡手段として引き受けてくれる、街の小売店などもある。
「法廷で女神は目を瞑り、街で女神が見てる」
この台詞がとても印象的。
法律界ではお金で正義を買えてしまうが、確かに人々の真の姿は、暮らす街にあると思う。
そして、両親以外に味方になってくれる大人の存在があるのはとても良いなと。
一方で、大人が子供の最低限の信頼すら裏切ってしまった時、子どもの心につけてしまう傷はとても大きい。
子供達の一生に響く。
ケヴィンベーコンがもう顔だけで卑怯な小者の嫌な奴確定してしまうのだが、この作品も演じるノークスがひたすら嫌な奴。庇う余地がないので、成立する流れ。
マイケルが全てのシナリオを書き、抜け目なく必要資料を揃え、検事としてわざと負けて、ジョンとトミーの無罪を勝ち取り、看守達をそれぞれ抹殺する。
シェイクスも加担して計画を用意周到に進め、ボビー神父が嘘までついて成し遂げた後も、マイケルは人生を取り戻すかと思いきや隠匿生活を選ぶし、ジョンとトミーもギャングを続け数年以内に命を堕とす。
人生が晴れるわけではない。
でも、最後に4人と幼馴染の女の子キャロルが再開し、祝杯をあげる場面。
5人の姿が、輝かしい未来が待っていそうな子供達の結束勝利の映像として描かれたところがとても印象に残った。
幼少期から、全く違う環境があれば、その団結力と絆で、全く別物の人生になったかもしれないのに。
大人と、大人が作る社会の子供達への影響は大きい。
成人した4人も、社会を作る側に回っている。
検事もギャングもライターも、社会に与える影響は大きい。
その中で、少年院の中でけしかけて優良児だったリノが看守に殺されるきっかけとなってしまったマイケルも、リノの身内が看守を殺す機会を整える他、自らも裁判に負けて社会的に死ぬ形で責任を取る。
ウィルハンティングの時同様、恋人の高い心の壁を越えられない役としてキャロルをミニードライバーが演じているのは納得だった。
ケヴィンベーコンが西岡徳馬に見えたり、ジムキャリーに見えたり。
ブラピの若い頃は、ディカプリオよりペテンでなく、マットデイモンよりスマートな雰囲気で、ワイルド系も似合うが法廷にいても似合っていた。
スマートな復讐劇
デニーロ、ダスティンホフマン、ケビンベーコン、ブラピと豪華なキャスト。少年院での悲惨な体験で負った心の傷をかかえて大人になったかつての少年たち。親友だった彼らはそれぞれ別の道を歩んでいくが、少年時代のまぶしい思い出と心の闇を共有していた。看守への復讐は、表面だけ見れば「犯罪」であるが、その犯行に至った動機を深く掘り下げてみれば、正義であったということもできるであろう。
安定のデニーロ、鈍くさい感じがよかったホフマン、悪になりきったベーコン、やっぱりいいとこもっていくブラピ。総じてよかった。
犯罪を悪としてみる前に、犯人の動機を深く考察してみると、社会にはびこっている問題が少しは見えてくるのかもしれない。
後半上手く行き過ぎるが、楽しめた!!
特に前半は引き込まれ、時間が経つのを忘れました。昔観た方も改めて観るとまた楽しめると思います。ボビー神父と文学の先生の存在が温かかったです。観客のテンションとしてはノークス殺害が最高潮で、後半は上手く行き過ぎると感じました。目撃者も全く納得行かず、ポカーンという感じだと思います。神父の「言葉以上のものを求められた時の為に」という台詞が印象的でした。
もっともっと仕返しを!
フットルースのケビンベーコンがずいぶんと年老いていることに驚きました。時代は進んでるんですね。
外国人の顔を認識するのに慣れていないためか、子役が大人になった際の描写で、どの子役がどの大人なのか認識するのに時間がかかり(実はよくわかっていなかった)、ストーリー展開が漠然としていました。
理解が出来てからは、仕返しのトリックは良かったですが、もっともっと仕返しを!もっともっと…生ぬるい。子どもたちがされてきた虐待に比べたら仕返しが足りない気がしました。ただ、仕返しには自分に跳ね返ってくるマイナス部分もありますね。
豪華!
古い作品、ようやく鑑賞。
豪華キャスト、間違いないでしょ!と実感。
ロバート・デ・ニーロの柔らかな眼差しもよかった。
ダスティン・ホフマンの飄々とした役も!
まぁ未熟とはいえ「やんちゃ」してしまって結果人が亡くなった?大怪我を負わせた?彼らは自業自得だったとは思うけど、個人的に結末は良かったと思う。
今は亡きブラット・レンフロ…このくらいまでは良かった、のか?
ブラッド・ピットのように頑張って生きてて欲しかったなぁ。
観るのも辛いシーンもあったけど、最後の楽しげな5人を見て幸せ気分になれた。
殆ど「スタンドバイミー」
1996年。監督:バリー・レヴィルソン。
ニューヨークのベルズキッチンで育った4人組の少年、シェイクス、マイケル、トミー、ジョン。
あるいたずらが原因で過失傷害の罪を犯す。
その結果、悪名高いウイルソン少年院に送られる。
そのいたずらが酷い。
ホットドッグの屋台のおじさんから、1人が食い逃げして走る。
残る3人が屋台を地下鉄入り口に移動させて、車輪を半分乗つけて逃げる。
地下鉄階段を転げ落ちた屋台が通行人に激突。
見知らぬ人が大怪我を負う。
少年院、そこは地獄。
看守による暴力と性的な虐待の巣窟だった。
悲惨な話しです。
シェイクスのナレーターで過去を振り返る形式は、スティーヴン・キング原作の「スタンドバイミー」を思わせます。
懐かしい少年時代の親友たち。
遊んだ思い出。
そして過酷なその後。
少年4人が、少年院を出た後。
看守のノークス(ケヴィン・ベーコン)を、ジョンとトーマスが射殺したことから、後半は
法廷劇の映画になります。
シェイクス(ジェイソン・パトリック)は駆け出しの新聞記者。
マイケル(ブラッド・ピット)は、検事になっているのです。
その裁判が見ものです。
ちょっと疑問も多々感じます。
幾ら、看守の違法行為を糾弾・摘発する目的でも、黒を白にする。
証人をでっち上げる・・・そんなことが許されるでしょうか?
地獄の少年院・・・まったく同じ経験をしても、2人は更生し、
2人は悪の道に舞い戻る。
シェイクスのナレーターで語られるジョンとトーマスの4年後。
その前が、喜びに溢れていただけに、悲しみも倍増でした。
復讐を遂げたら幸せになれる訳ではない世の無情を描き切れぬレヴィンソン監督の演出
ロレンツォ・カルカテラのベストセラーを「レインマン」のバリー・レヴィンソンが演出。今年の豪華キャストの話題作。主演がジェースン・パトリック(「ハスラー」の名脇役ジャッキー・グリースンの孫と知って驚く)、共演がロバート・デ・ニーロ、ブラッド・ピット、ケビン・ベーコン、そしてダスティン・ホフマン、子役ではジョセフ・ペリノー、ブラッド・レンフローと揃っている。少年院で看守たちから受けた虐待と性的暴行の復讐を、殺害・摘発・マフィアの罠などによって、しかも殺人罪では神父の偽証で無罪を勝ち取る形の離れ業を貫徹する。ラストのクレジットでは、このような事実は認められないとの司法側の発言に対して、原作者カルテラの反論をわざわざ付け加えるところを視ると、レヴィンソン監督の信念強い制作意図は明確である。しかし、本編の子ども時代の4人の少年と神父の触れ合いを美しく描いてはいるが、ワンカットの思い入れが薄いシーンの連続で人物の表情が描き切れていない。故にラストの法廷のクライマックスが余韻に乏しい終わり方になってしまった。主人公のモノローグも全編に入れるのではなく、最初とラストのみで良かったのではないか。その方がドラマティックな物語の展開に引き込まれるし、最後に残る復讐を遂げた人間が幸せになれないこの世の真実、人生の無情観を見詰めることが出来るのではないだろうか。演出力の点では、この作品のレヴィンソン監督に評価は与えられない。演技ではデ・ニーロが最も優れて、パトリックは少年の繊細さを見せたペリノーに及ばず個性的魅力が足りない。ピットは役柄に合っているが、ホフマンはその巧さを見せつけるシーンも台詞も与えられず、全く生かされていない。駄目弁護士の法廷での哀れで可笑しい姿を描けたなら、少しは厚みが出たであろう。もっといい映画になるべき題材である。
原作既読。劇場公開時鑑賞。
ノンフィクションかどうかはともかく、原作は面白かったですし、キャストもこれだけ隙なく揃えたのに、あんまり面白かった気がしない。
ストーリーは『IT』と『ミスティック・リバー』に何かを混ぜた感じ。観終わってスカッと爽やかにはなれなかった。
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