「実話?」スミス都へ行く KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
実話?
まず気になるのは、これが実話に基づくものかどうかですね。もしそうなら価値があるけど、そうでないならっ・・て感じかな。
この物語のいいところはもしかしたら、最初の十分で終っているかもしれない。・・・冒頭の上院議員が子供達に質問攻めにされたり、すごい勢いで代わる代わる演説みたいな感じでしゃべられたりして圧倒されるところがとってもおもしろかった。それに引き続き現れたジェームズ・スチュワート。なんと魅力的な男だろう。この素朴な青年がカバンを子供達からプレゼントされる。あのシーンが感動的でそこが一番良かった。あとはなんというか、すごく長い蛇足を見たのか、何を見たのかよくわからない。
政治のことを何も知らない田舎もんが、上京して。ついワシントン見物をしてしまい。それから、思いついたキャンプ場づくりを実行してみたいと頑張って。それが実はもっとデカい政治家たちの利権に絡む話と衝突していて。それで挫折して、諦めるところで映画が終わるかと思ったらそこからものすごく頑張る。俳優も脚本家も監督も、そして観客も頑張りを強いられる。という内容。クライマックスの果てに突然終わったのがなんだが、こっちも疲れてもう、それでいいよって感じだった。
・・実話に基づかないこの話は単なる理想論で、まったくもって空虚だ。でも何故か観て良かったと思った。それはやっぱり女性の力かな。応援してくれる女性って、なんて力強い、そして魅力的な存在だろう。申し訳ないが私はしっかりしてない男なんで、彼女のような優秀な秘書タイプの女性が好みなのだ。
・・・この映画の21年後。ジェームズ・スチュアートは今度は引退した有名上院議員を演ずる。「リバティ・バランスを射った男」
あの映画は本物で、これよりずっと素晴らしかった。もし、あなたが一日二本映画を観るとしたら、これとそれを見ることをオススメするね。
