ザ・セルのレビュー・感想・評価
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輪切りのソルベの元ネタ
記憶に入る装置を解離障害の治療に試験的運用をしている。ある日、連続殺人犯が解離障害で意識を無くす。誘拐された女性の場所がわからないため装置で記憶に潜る。
記憶に深く潜りすぎると、現実とリンクしてしまう。犯人は幼少期に虐待を受けて殺人に系統してしまったが、良い人格を救おうと主人公の記憶に引き込むが結局、悪人格と良人格は一体のため死ぬ。誘拐された女はFBIの男が記憶に潜って手がかりをつかみ発見する。
サイコ・ミステリーというより脳内分析系!
2000年(アメリカ)
20年も前の映画ですが、当時にしては映像も斬新で
とても楽しめました。
ジェニファー・ロペスが心理学者を演じて、人間の脳内の
潜在意識や夢の中に潜入して、連続サイコ殺人鬼の《心の闇》を、
体験して事件を解決に導くストーリーです。
と、説明するとまったく面白くないですね(笑)
スタート・シーンが夢の中の心象風景でした。
一面の砂漠に黒い馬と白いゴージャスなロングドレスのロペス。
そこから少年が現れる。
そして少年は水飲み場で、突然顔が裂けて豹変するのです。
その少年は心理学者キャサリン(ロペス)の患者で一年以上昏睡状態にいるのです。
そして場面は変わりサイコキラーの隠れ家に。
男は若く美しい女性を監禁して水槽に閉じ込めている。
そして酸に付けて殺すまでは虐待して楽しむと言う異常者。
しかし「残念ながら「セブン」的展開はしません。
美しい裸体の美女。恐ろしいセル(監禁水槽)
犯人は、はじめから分かっている・・ヴィンセント・ドノフリオです。
ドノフリオも裸体で背中に10箇所の輪っかを付けて、天井から吊り上げている!!
なんとこれも自作の自分のための拷問具。
と、砂漠の美しい心象風景から、サイコ殺人鬼の異常な行動へと変わり、
興味を引きます。
ところがところが、犯人逮捕に警察が向かうとドノフリオは仮死状態。
やっとキャサリンの出番が来ます。
意識不明の犯人の脳内に潜入して、彼の毒牙にかかり行方不明の女性の、
監禁場所を見つけること。
それがこの映画の一番のポイント。
20年前のCG映像は、温もりがありますね。
夢の中では少年が虐待を受けている。
水に深く関連してるらしい。
ロペスはアート系の衣装(石岡瑛子デザイン)で、マリア像になったり、
ファッションも見どころのひとつ。
惜しむらくは犯人逮捕の糸口をロペスではなくFBI捜査官のヴィンス・ヴォーンが、
解いてしまうこと。
ヴィンス・ヴォーンと言えば1998年のガス・ヴァン・サイト監督の
リメイク版「サイコ」のイメージが強くて、てっきり二転三転して、
サイコなのは実はヴィンス・ヴォーン。
指を舐めるシーンで確信したのに、見事空振りでした。
ジェニファー・ロペスは「ハスラーズ」や「マリーミー」で、
50歳を超えても愛らしさと美しさは変わりません。
息の長い歌手そして女優ですね。
ストーリーよりアート系の映像が面白かった。
過去鑑賞
猟奇殺人
ミュージックビデオ出身の監督だけあって、映像だけは凄かった。グロい部分もかなり多かったが、全体を通してみればそれほどでもない。会話の中では、心神喪失で無罪になってしまう猟奇犯について触れてはいるが、キャサリンが心の中に潜入して犯人の悪しき部分だけを助けようとするところから、人権擁護派の気配を受け取れる。
犯人がすぐに捕まるところからサスペンス色が薄れてストーリーの緊張感が途切れてしまうが、特に結末が非常に面白くない!個人的には、犯人の悪しき心がキャサリンの心に残ってしまい、続編では彼女が殺人を犯すような展開を期待していた・・・
それにしても最後にあの犬を飼うなどと言っていたが、犬はどう見ても狼と豚とのハーフのようなブサオでした。
念願の?
公開当時から気になっていたが、観る機会がなく、いつの間にやら20年近くも経って、やっと今回観る機会を得た。こういうのを、念願と言えるのだろうか?
「インセプション」「インターステラー」等を例に挙げる人もいらっしゃったが、
自分としては、脳内で起こっている出来事を扱っている部分で、「トータルリコール」とか、「アルタード・ステイツ」とかを彷彿させた。
グロさレベルでは前述の2作品より、こっちの方が全然上。しかし物足りない。もっと来てほしい感じで中途半端。やるならもっと徹底的にやってほしい。
ただ、現実に起こっているシーンと脳内でのシーンを交互に映し出しているが、なんかうまくかみ合っていないように感じてストレスになった。
また、意図はどうかはわからないが、結局「サイコにも、サイコなりの理由がある」みたいに言っているように感じて、反発を覚えた。サイコに理由なんかいらない。自分は否定するのみ。
20年近く経って、これが感想だとしたら、ちょっと悲しいのだが、
もう2度と観る必要もない感じ。
同時に「2」も録画してしまったので、「義務」として今から観賞する。
そのレベルの作品(よく、こんなので続編が出来たな、って感じだが、続編が出来るほど、オリジナルは人気があったんやね)。
殺人鬼に同情を覚える
子供の頃の純粋な姿、悲しい境遇を追っていくことで殺人鬼カールへの同情心を感じるようになる映画。
最後に彼が死んでしまった時は、とても悲しいことのように感じている自分がいた。
カールの精神世界を表現した不気味な映像やキャラクターには終始驚かされた。ピーターが受けた酷い仕打ちには目を瞑りたくなった。
ストーリーに関しては疑問点が残る。
ピーターがカールの精神世界で得たヒントは、現実世界で捜査を進めていく中で気がつけるものではないか。
キャサリンの精神世界に招き入れたカールは死んでしまったのに、それをエドワードにも行おうとしているのはなぜか。
芸術的精神世界への遊泳
主人公のキャサリンはとある精神治療法の研究を行う研究員。
その精神治療法とは人の夢の中に入り込み、対話を行うことで心の病みを取り去るというものだった。
そんな彼女のもとに一つの事件解決の依頼が来る。
女性を誘拐し、時限式の水槽に閉じ込めて殺してしまう猟奇殺人鬼カール・スターガーの心に入り込み、誘拐され行方不明となっている女性の行方を探ってほしいというものであった。
彼女はその依頼を引き受け、スターガーの心に入り込むのだが、幼少期のトラウマと精神障害によって傷ついた彼の精神世界は想像を絶するものであった・・・
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後にこの映画の監督がインドの方だと聞いてとても驚いたのだけれど、この映画はインドの映画のイメージからは程遠い何か病んだモノがたっぷり詰まった作品だ(もっともこの映画はアメリカ映画だけれど)
おそらくストーリーなんかは殆どどうでも良くて、"夢の中の世界"の映像美であったり、芸術的な世界観を表現したかったのだと思う
僕の感想もまさにそうで、ストーリーには印象的な要素は殆ど無かったものの、犯人が自らを鎖で釣り上げていくシーンや、馬の輪切り切断シーン、そしてあの”内蔵ぐるぐるシーン”など直接ストーリーには何ら関係は無いし、意味も無いが何か強烈に記憶に残るシーンがこの映画の全てだと感じた。
この手のコンセプトを持った映画として羊達の沈黙や、Cubeに近いものがあるけれど、世界観はそれらとも違う独特のものがあるので一見の価値があると思う。
グロ耐性が弱いので、もう二度と観ようとは思わないけれど、観ておいて良かったなと思える作品だった。
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