「【アートとドラマをしっかり融合したSF映画】」ザ・セル 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)
【アートとドラマをしっかり融合したSF映画】
・2000年公開のアメリカのSF映画。
・人の精神世界に入り込んで治療する最先端医療を行う主人公キャサリンが、FBIに頼まれて連続殺人犯が誘拐した女性の居場所を特定するために犯人の精神世界に入り込んでいく、という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・精神世界が故、なんでも芸術的に描ける
・切ない
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
[物語]
・「人の精神世界に入れる最先端医療」という設定がぶっ飛んでいて、すっと共感ができないのですが、この映画の凄いところは、その辺は「当たり前だよね?理解できるよね?」と言わんばかりにサクッととばすんですよね。笑 そんなこと(設定)よりも、主人公の葛藤や成長、連続殺人犯の動機やその後を魅せたい!と感じます。その通りに、ぶっ飛んだ世界観を違和感なく魅せてくれる物語です。
[演出]
・精神世界をどう映像で表現するか。それを見事に芸術的に表現された演出だと思いました。私自身は映画に対して特段の「芸術性」を求めていません。しかし、物語の運びが気になるので、やはり最後まで観てしまう。つまり、芸術的な表現をしつつも、映画としての物語性をしっかりと最後まで演出しきった作品だなぁ、と思った次第です。
[映像]
・漫画[ディーグレイマン]や映画[サイレントヒル]のように、邪悪なものも含めて全体が芸術的にも見えるような映像美。気持ち悪さの中にも曲線美や何らかのシンメトリー的なものを感じてしまいました。
[音楽]
・特に際立って感じたことはありません。
[演技・配役]
・強さと美しさのある「ジェニファー・ロペス」さん。さすがです。犯人役の「ヴィンセント・ドノフリオ」さんの表情にはどこか「切なさ」を感じずにはいられません。精神が病んでいる状況だけでなく、自身で葛藤している内面も、行動ではなく表情やしぐさだけで非常にお上手に演じられていたと思います。
[全体]
・映画のパッケージからは想像できなかった物語でした。パッケージの通りなら、私が最も見ない系の映画なのですが(笑)、観てしまうと最初から最後まで違和感なくだだーっと観てしまう、そんな面白さがありました。ありがとうございました。
#映画 #SF #芸術 #精神世界 #ターセム・シン監督 #ジェニファー・ロペス #ヴィンス・ヴォーン #ヴィンセント・ドノフリオ #アートな世界観 #ザ・セル #THE-CELL
#全体3.5 #物語3.4 #演出3.5 #演技3.5 #配役3.5 #映像3.6 #音楽3.3