「異常な愛」弓 ミツマメさんの映画レビュー(感想・評価)
異常な愛
クリックして本文を読む
幼い少女を誘拐して10年もの間船の上で暮らし17歳の誕生日に結婚するという老人の欲望を描いている。結婚式のために少しずつ衣装を買い揃え、カレンダーに毎日バツで記しをつけ時に待てず何日もいっぺんにバツ印をつけてずるをする老人。
船に来る青年に好意を抱くようになる少女を嫉妬深く見つめるのはいくつになっても人を愛する心には変わりないし、またどうしようもない切なさ哀しさを感じてしまった。
青年が少女の親を探し出し老人に少女を解放してあげて欲しいと懇願し2人は船に乗り全ては正常な方向へと解決すると思いきや老人が船と結んだ縄で首を吊り自殺しようとして死に切れずそれを見た少女も老人と結婚することを選ぶのだ。
しかし結婚式を挙げたあと老人は海に飛び込み自らの人生に終わりを告げた。
しかし老人の魂は少女の処女を奪い欲望を達成した。古くなった老人の船は沈没する。
美しい少女をずっと囲った老人は悪いが見ていて切なく最後やはり死を選択したのは少女を本当に愛していたから。少女も自分を愛してくれているのはもはやこの老人だとわかって結婚しようと決心したのだと思う。
自分を愛してくれる人はそうそういない。
最後の描きかたはキムギドク監督らしいとおもった。
美しい海の映像とノスタルジーな音楽とがとても合ってストーリーも面白く見応えあった。
コメントする