ティアーズ・オブ・ザ・サンのレビュー・感想・評価
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普通の戦闘娯楽映画とは思って欲しくない
総合:90点
ストーリー: 85
キャスト: 80
演出: 95
ビジュアル: 80
音楽: 90
民族浄化という重いが素晴らしい主題を扱った優れた映画。
21世紀においてもアフリカの内戦は現代日本では考えられない残虐行為が日常的に行われている。この映画の舞台であるナイジェリアの内戦もその1つ。それに対する人道主義か国際法や命令かという板ばさみ状態を命懸けで現場で判断する重大さが良い。命令を聞いてさっさと帰れば楽。それならば法令違反もなければ自分たちの命も安泰。
しかしたった今目の前で罪のない一般の人が民族が違うとかいう理由でまるで虫けらのように簡単に殺されるという現実に直面し、人は平然としていられるだろうか。あるいは平然としておくべきであるか、自問せずにいられるだろうか。決断の成否はともかく、それを深く考えない者は自分勝手な偽善者ではないだろうか。
特に病院や逃避行中の村での虐殺のシーンをそのまま出しているのはいい。昨日まで会ったこともなかった見ず知らずの人々を救うための決断をするブルース・ウィリス。それは自分の栄光のキャリアを捨てる可能性が高いのはもちろん、自分だけでなく部下の命を賭けるということである。そこまで彼に決断させるほどの残虐行為が迫っているのである。そしてそうしなければ多数の民間人が虐殺されていたのは間違いない。
1990年代のルワンダで似たような状況に置かれた国連軍指揮下のカナダの部隊司令官が、自部隊を動かさず干渉しないという上からの命令に従い、そのため目の前で大量に虐殺される人々を助けることが出来ずに精神を病んだというドキュメンタリー番組を見たことがある。この映画はフィクションでも、実際に同じようなことが起きているのがアフリカの現実である。ホテル・ルワンダやブラッド・ダイヤモンド同様、それを世界の一般の人々に知らしめる意味でもこの映画は価値がある。
民間人というお荷物を伴いながらも必死に逃げるウィリスたちと、それを追跡する現地軍との息詰まる緊迫感。戦闘シーンは本物のアメリカの特殊部隊ネイヴィー・シールズの元隊員が指導をしており、撮影上でも現実に迫る緊迫感を伴った迫力のある画像となっている。アフリカの人々の叫びのような音楽も良かった。
しかし映画の最後の結末が空爆によってあっさりと片付いてしまったのはちょっと残念な部分であった。あれだけで敵が簡単に全滅したのだろうか。また目立たない小規模の特殊部隊の隠密行動ならともかく、戦争状態にない他国を爆撃する許可はどこから出たのだろうか。そこだけが唯一引っかかったところである。しかしそれでも総合的には高得点をつけられる。
ダイハード5かと思った
2003年アメリカ映画。118分。2011年28本目の作品。職場の知人から借りた作品で、ブルース・ウィリス主演の戦争映画。
内容は:
1,アメリカ特殊部隊のリーダーは、内戦下のナイジェリアの村で奉仕活動をしているアメリカ人2人を救出しろと命じられる。
2,ナイジェリア奥地に入った特殊部隊は、そこでナイジェリア軍による残虐な殺戮を目の当たりにする。
3,アメリカ人だけを救出しろとの命令だったが、リーダーは村人全員を亡命させようとする。
なかなかシリアスな内容で時事性もあったにも関わらず何故か説得力がない作品、といった感じでしょうか。ブルース・ウィリスにどれだけ感情移入できるかが、本作を観るポイントだと思います。
これまでアメリカのために自分の心を犠牲にしてきたウィリスは、村で医療奉仕をするアメリカ人女性にメロメロになったのか、それまでの主張を一転、いきなり善のヒーローになる。この心境の変化が脈絡なく起きたので、個人的にはここで興ざめといった感じ。
戦闘シーンにもこれといった見せ場がなく、結局、何をしたかったのか分からない作品でした。
どこかでおきてるかも・・・
戦争映画はいつもなぜ戦争が起きるんだろうという悲しさを感じる。
私は信心深かったり、信仰があったりとかはまったくない人間なのだが、なぜ神は全く同じ一つの人種だけでなく、複数の人種を作ったのか?そしてなぜ憎み合うようにしたのか?と思ってしまった。世界から早く人種や信仰の違いによる諍いがなくなることを祈りたくなるような映画でした。
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