ストリートファイター(1975)のレビュー・感想・評価
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「男の中の男、出てこいや↑」
ウォルター・ヒルの監督デビュー作。
漢の映画しか撮らない監督と、本物の漢ブロンソンが組んだ、男汁ムンムンのマンダム・ワールドな作品に仕上がっています。
当時54歳とは思えぬブロンソンの凄まじい体!
ボディビルで作った筋肉とは違う、実際に40近くまで肉体労働で苦労したブロンソンの体が、本作の労働者風の流れ者チェイニーというキャラクターに説得力を持たせている。
更にボクシング経験のあるブロンソンが吹き替え無しでファイトシーンを演じ、ダッキング、スウェーから腰の入ったストレートや、コンビネーションを繰り出す素晴らしい動きを見せてくれます。
賭け喧嘩で儲けた金を、その日のうちに賭博でスッてしまうマネージャー、スピード(ジェームズ・コバーンが漢とは真逆のクズを好演して主役を引き立ててる!)を、助ける義理も友情も無い単なるビジネスパートナーなのに救いに行くチェイニー。
シカゴからの最強の刺客をぶちのめし、結局素性を一切語らぬまま去っていく。
無駄口を叩かず、女にも媚びず、腕っぷしも強い。そんな男の去っていく背中を見て男逹が惚れる。男の中の男を見たい時にはこれです!
し、渋すぎます、ブロンソン。
寡黙な流れ者、だが恩義にあつく、超一流のストリートファイター。彼と組む、調子のいい口先男、コバーンがブロンソンの良さを対極的に引き出しています。かなり古い映画ですがブラピの「ファイトクラブ」の元祖だと思えばいいか。多くの作品に影響を与えた傑作です。
ウォルター・ヒル監督の男を描くうまさの原型がわかる
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
ブロンソンは相変わらず力はあるけれど寡黙でやさぐれた男っぽさを出している。だが自分は彼のマネージャー役のジェームズ・コバーンが人間臭くてひきつけられた。その日暮らしの興行の交渉をして借金までして危ない橋を渡り、一山当てれば博打に女にとすぐに楽しみに繰り出す。借金も博打も常習犯のようだ。挙句の果てにヤクザ者に追い込みをかけられてしまい、ブロンソンに泣きつくというだらしなさが逆に魅力を感じる。この綱渡り的人生の情けなさもある意味で男らしさかな。ウォルター・ヒルの最初の監督作品らしいが、その後の彼の男くさい映画の原型がここでわかるという意味でも面白い。
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