劇場公開日 2024年2月2日

「トーキング・ヘッズを知らずともノレるライブ映画(IMAX鑑賞)」ストップ・メイキング・センス HALUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5トーキング・ヘッズを知らずともノレるライブ映画(IMAX鑑賞)

2024年2月19日
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鑑賞方法:映画館

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スパイク・リー監督による、トーキング・ヘッズのライブ映画『アメリカン・ユートピア』を観た2021年に、その年の私的映画ベスト10のナンバー1作品に選んだくらいにかなりの衝撃を受けたこともあり、今回、その原点とも言われている1983年の伝説のライブを、ジョナサン・デミ監督が映画化した『ストップ・メイキング・センス』(1984年)を、A24が執念によりオリジナルネガを発掘し、4Kレストア版にした作品が、今回、2月2日(金)からIMAX上映でも同時公開され、またIMAX上映については2週間限定上映とも聞いていたので、慌てて、2月8日(木)に、TOHOシネマズ二条でIMAX2D上映の劇場鑑賞に出向いて来ました。

トーキング・ヘッズの伝説とも言われる、1983年12月ハリウッド・バンテージ・シアターでのライブ。
1992年から人知れず眠っていた本作のオリジナルネガをA24が執念で探し出し、サウンドはジェリー・ハリソン自ら監修した完全リマスター。
収録から40年を経ても全く色褪せないこの最高級のエンターテインメントを、A24が4Kレストア版で今回スクリーンに復活させてくれました。

デヴィッド・バーンらによる躍動感溢れるパフォーマンスに、日本の能楽からインスピレーションを得たというシンボリックな”ビッグスーツ”、エキセントリックなダンスとエキサイティングな演出は、今なお唯一無二の舞台といえるでしょう。

2021年日本公開のデヴィッド・バーンらによるライブ映画『アメリカン・ユートピア』で衝撃を受け、私の場合には、それ以来の俄(ニワカ)ファンでしかありませんが、トーキング・ヘッズのバンド結成50周年、映画公開40周年の2024年に”史上最高のトーキング・ヘッズ”を、この機会にと12chサウンドシステムの音響効果を誇る、IMAX上映で全身で浴びてきました。

アコースティックギターとラジカセを持ったデヴィッド・バーンが一人でステージに現れて「Psycho Killer」を歌い始める冒頭から、(ある意味ここが一番格好良かったかも。)、そして、ミュージシャンと楽器が少しずつ増えて来て、4曲目の「Found a Job」でトーキング・ヘッズのメンバー4名が揃い、その後、6曲目の「Burning Down the House」でサポートメンバー5名が加わった総勢9名の大所帯を形成し、そして、16曲目の最後に「Crosseyed and Painless」 で幕を閉じる構成が実に素晴らしく格好良かったですね!

デヴィッド・バーンのどこか鳩かニワトリを思わせる首の動きや、幻覚的・神経症的な歌詞と相反するパフォーマンスは唯一無二であり、その躍動感溢れるクネクネダンスの際の体幹のすごさにも驚かされるばかりでした。

ベースギター担当のティナ・ウェイマスが当初は上下ツナギで登場していましたが、ワンピースに着替えてからは、大きな水玉模様のストッキングが色っぽくてなかなか可愛いかったですね!

また、生憎と、私の場合には、元々の『ストップ・メイキング・センス』のフィルム自体を一度も観た事がないので、元の修復前の映像と4Kレストア版とでどの程度鮮明になっているかどうかの比較は出来ませんでしたが、IMAXの音響効果の方は12chサウンドシステムでしたので、あたかもライブ会場に居るかの如き錯覚に陥るような臨場感が半端なかったですね!

それにしても、日本の能楽に着想を得た”ビッグスーツ”の上着を脱いだ際のデヴィッドバーンの姿があまりにも不格好で思わず笑えてしまいました(笑)
あの当時は、アレが格好良かったのでしょうか!?

そしてまた、バンド内ユニットの「トム・トム・クラブ」の曲も良かったでしたね。

デヴィッド・バーンは当時31歳で兎にも角にも脂がのりきって若くて格好良い!
それに対して、2021年に日本公開された『アメリカン・ユートピア』ではデヴィッド・バーンは撮影当時は67歳。その間に頭は白髪になっていましたが、相変わらず才気煥発の極みであったことは確かでしたね。
ですが、私的にはそんな見栄えはどうでも良くて、社会的メッセージ色が豊かな『アメリカン・ユートピア』の方がどちらかと言うと好みだったかも知れないですね。

本作の海外版予告編では、御年71歳のデヴィッド・バーンがクリーニング店にビッグスーツを取りに行って、久しぶりに着こなすという粋な内容なのも面白くて、すごく良かったです♪

私的な評価と致しましては、
本作品よりも、先に、3年前に『アメリカン・ユートピア』を観ていたこともあり、この2つのライブ映画では、趣自体はかなり違うテイストの映画ではありましたが、本作は、IMAXでの鑑賞も手伝った点もあってか、五つ星評価評価的には、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の高評価も相応しいコンサートライブ映画でしたし、こういった映画こそ、大きなスクリーン・優れた音響設備が整ったシネコンで観るべき作品かとも思いました次第です。

ですので、今回IMAX上映で鑑賞出来て本当に良かったです♪

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HALU