スパイキッズ2 失われた夢の島 : 映画評論・批評
2002年9月2日更新
2002年9月7日より丸の内プラゼールほか全国松竹系にてロードショー
前作以上に遊び倒すロドリゲスの心意気がうれしい
どこまでも子供の想像力に忠実な、冒険娯楽ファミリー映画が帰ってきた。スパイの子供たちは成長しているものの、コンセプトはそのまま。うれしいのは、同じ予算でパワーアップを狙ったロドリゲスの心意気だ。
冒頭、いきなりロドリゲス印のテーマ・パークから突っ走る。スパイ姉弟には、小憎らしいガキ兄妹のライバルが出現(妹がオスメントの実妹で同じ顔!)するのだが、この際ストーリーなんてどうでもいい。次から次へと繰り出される、笑えるほどハイテクな(でもとっても子供っぽい)スパイ・アイテム、飛んだり跳ねたりのアクション、小技のギャグ。いかに荒唐無稽なアイディアで、前作以上に映画を遊び倒すか。この一点にかけるロドリゲスのパッションが見えるようなのだ。
もちろん「ガキっぽさ」が身上ゆえ、ツッコミどころは多い。気弱なマッド・サイエンティストに扮するブシェーミに、前作のカミングほどのインパクトがないのもちょい残念。が、前作が「夢のチョコレート工場」へのオマージュだったとすると、今回はレイ・ハリーハウゼンへの愛に満ちているところがツボ。エンド・クレジットまで遊び心いっぱいのこの映画、偏愛せずにはいられませんって。
(若林ゆり)