「全てはライオンのホログラムが間違いのもとだった。おかげで全てがホログラムに見えてしょうがない・・・」サウンド・オブ・サンダー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
全てはライオンのホログラムが間違いのもとだった。おかげで全てがホログラムに見えてしょうがない・・・
2055年には記録媒体が全てホログラムなのでしょう。未だにVHSビデオを楽しむ者にとっては夢の夢でしかありませんが、あのライオンほど鮮明に映し出されれば文句のつけようがありません。絶滅種を救うために研究を重ねるトラヴィス・ライヤー博士(エドワード・バーンズ)はこうしたライオンなどを記録して、ソニア・ランド博士を茶目っ気たっぷりで驚かせたりするのですが、白亜紀の可愛い恐竜だってこのホログラムに見えてしまうわけです。さすがに漫画チックではありませんでしたけど、噛まれても透り抜けちゃいそうな映像でした。
さらに未来の道路には風変わりな車がいっぱい走っていて夢のような世界を描きつつも、これもまたホログラムっぽい映像になっていまして、これじゃ車にぶつかっても痛くも痒くもくすぐったくもありませんよね。ベン・キングズレーあたりが「よ~し、試しにぶつかってみようか?」などと言って車道に飛び出してもビックリしなかったかもしれません。
虫がいっぱい出てくるシーンもあるのですが、さすがは『レリック』の監督さんです。もしかすると『ハムナプトラ』の虫を借りてきたのかもしれませんけど、ちょっと気持ち悪かったですね。そしてヘンテコな恐竜・・・顔がマントヒヒのようでしたけど、マントヒヒザウルスと命名してもいいのでしょうか。これもホログラムっぽかったです。
ストーリーはレイ・ブラッドベリ原作なのでさすがに引きこまれるものがありましたけど、終盤になって「死んだって、過去を修復すれば生き返る」といった人命軽視につながる内容はいただけません。そして、絶滅種の研究者を登場させるなら捕食や食物連鎖についても考えないと、世の中狂暴な生物ばかりになって・・・と、考えるだけ無駄か・・・
タイムトラベル3原則+1
ルール1:過去を変えるな
ルール2:過去に何も残すな
ルール3:過去から何も持ちかえるな
ルール4:製作会社がつぶれたのなら無理に映画を完成させなくてもいい!
【2006年3月映画館にて】