「真実は無力だ。それでも、、」それでもボクはやってない うるぐすさんの映画レビュー(感想・評価)
真実は無力だ。それでも、、
真実は時に無力だ。どれだけ真実を叫んでも、「それじゃあ、証拠は?」と聞かれその証拠が不十分ならただそれだけで真実は“嘘”へと変貌を遂げる。それが人間の世界。社会。いや、大人の世界と言うべきか。「とりあえず」によって不条理に唇を噛み締めなければならないこともある。「とりあえず」によって面倒事を回避することができることもある。個々人の心理によっていとも簡単に真実なんて葬られるのが社会。この映画では裁判官の心理に見られたような。
だけど主人公のニートの男はそこに納得が行かずに戦って“しまう”のだ。大人の世界に足を踏み入れてしまった。自分が望んだわけではないのに。
「こんな社会どうなの?」「こんな社会で本当にいいの?」「おかしくないかい?」と周防監督は観客に問う。
と、同時にこう語ってる気がした。
「それでも、それでも、この社会で生きるしかないんだ。」
…
『痴漢の冤罪は99.9%が有罪だ。この99.9%が裁判において結果ではなく前提となってしまうのは極めて危険だ』
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