「【”お気に入りのホラー映画は?”今作は、従来にない幾つかの演出と、誰が犯人か最後まで分からないストーリー展開が面白怖き、ホラー映画シニカル愛に詰まった作品である。】」スクリーム(1996) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”お気に入りのホラー映画は?”今作は、従来にない幾つかの演出と、誰が犯人か最後まで分からないストーリー展開が面白怖き、ホラー映画シニカル愛に詰まった作品である。】
■田舎町のウッズボローで、高校生のカップル、ケイシー・ベッカー(ナント!ドリュー・バリモア)、スティーブがナイフで惨殺される事件が起きた。
犯人はケイシーに携帯電話で”お気に入りのホラー映画は?”と電話してきて、彼女をナイフで滅多刺しにして、内臓を取り出し木にぶら下げるのである。
クラスメイトだったシドニー・プレスコット(ネーヴ・キャンベル)は、1年前に母を何者かにレイプされ殺された記憶を呼び起こされて不安に駆られる。
そして、彼女もハロウィンマスクの殺人犯に襲われるが、間一髪、恋人のビリー(スキート・ウールリッチ)に救われる。
◆感想<Caution!内容に触れているかな?>
・まずは、冒頭、ドリュー・バリモア演じるケイシー・ベッカーが、ハロウインマスクを被った男に襲われるシーン。観ている側は”ドリュー・バリモアだから、助かるんでしょ?”と思いながら見ていると、ナント無残に惨殺されるのである。しかも、あの殺され方・・。ドリュー・バリモアが良くあの役を受けたなあという想いと、制作側の”本当に殺されるとは思わなかっただろう?”と言う、シニカルな笑いが伝わってくるのである。
・シドニー・プレスコットは、1年前に母を何者かにレイプされ殺された哀しい過去を持つ少女という設定や、出張に出た父親が行方不明になるという設定も、犯人は誰かという事を、観る側に推測させるが、思いもよらない犯人に”スラッシャー映画の犯人なんて、大した犯行動機なんて持ってないだろう?”と言う、製作サイドのシニカルな笑いが、マタマタ炸裂するのである。
更には犯人の血のりなどの種明かしも、従来のスラッシャー・ホラーを小馬鹿にしているのである。
・そして、途中まで鼻持ちならないTVレポーターの女ゲイル・ウェザーズ(コートニー・コックス)が、犯人を撃ち殺し、シドニー・プレスコットを助ける設定なども”今まで、スラッシャー・ホラーでこんな設定はなかっただろう?”という、コレマタ製作者側のシニカルな笑いが聴こえてくるのである。
<今作は、従来にない幾つかの演出と、誰が犯人か最後まで分からないストーリー展開が面白怖き、ホラー映画シニカル愛に詰まった作品なのである。>