劇場公開日 2013年4月20日

「【今作は、サイコキネシス達の戦いを当時としては斬新な映像で描いた、カナダが産んだ異能、デヴィッド・クローネンバーグの出世作である。この頃からイヤーな作品を作っていたんだねえ。】」スキャナーズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【今作は、サイコキネシス達の戦いを当時としては斬新な映像で描いた、カナダが産んだ異能、デヴィッド・クローネンバーグの出世作である。この頃からイヤーな作品を作っていたんだねえ。】

2025年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

難しい

■或るショッピングモールで女性客に蔑まれた無口な放浪者、キャメロン・ベイル。
 彼が彼女を悪意の目で睨むと女性客はもがき苦しみ卒倒してしまう。
 警備会社・コンセック社に連れ去られたベイルは、自分がスキャナーと呼ばれる超能力者であることを知らされ、更には自分に隠された秘密を徐々に知って行くのであった。

◆感想

・私事で恐縮であるが、デヴィッド・クローネンバーグ監督作品を、名画座で初めて見たのは「ザ・フライ」であった。
 級友たちと観に行ったのだが、映画館の息子が”ホラー映画は最前列で観るもんだ!”と訳の分からない事を言ったので、仕方なく最前列で観たのだが、転送装置の中に紛れ込んでいた蠅のDNAが男のDNAと複合し、男の姿が禍々しい姿になって行くシーンや、男の子どもを身籠った恋人の出産シーンは、正視出来ず、目を開けたまま焦点をぼかし、スクリーンを見ないという高度鑑賞技法を産み出したモノである。

・で、今作。
 「ザ・フライ」よりも早い製作という事もあり、シーンは年月を感じる部分もあるが、サイコキネシスの力で、男の頭が爆発する有名なシーンや、ベイルと、スキャナーズを作る薬物”エフェメロル”を密かに製造するコンセック社の男、ダリル・レヴォックが実はキャメロン・ベイルの兄であり、ダリルが兄の申し出を断った後の、サイコキネシス合戦の緊迫感や特殊メイクはナカナカである。

<今作は、サイコキネシス達の戦いを当時としては斬新な映像で描いた、カナダが産んだ異能、デヴィッド・クローネンバーグの出世作である。>

NOBU
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