「"黒澤くん、120点満点だよ"」姿三四郎 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
"黒澤くん、120点満点だよ"
天才はデビュー作からして天才‼️黒澤明監督に並ぶのはジョン・ヒューストン、シドニー・ルメット、ルイ・マル、ペドロ・アルモドバル、クエンティン・タランティーノ、宮崎駿くらいじゃないでしょうか。姿三四郎という作品自体は宮本武蔵の影響を受けているのは明白で、三四郎と矢野正五郎は武蔵と沢庵、三四郎と小夜は武蔵とお通、三四郎と檜垣源之助は武蔵と佐々木小次郎‼️そして三四郎が池に飛び込む(蓮の花の美しさ)は武蔵が千年杉に吊るされる、三四郎と源之助の右京が原の決闘は武蔵と小次郎の巌流島の決闘‼️この決闘における吹きすさぶ風や雲の流れや草のそよぎ、アクションシーンにおけるスローモーションの活用、下駄を使った時間処理など、その天才ぶりを遺憾なく発揮されております。神社の石段でのさわやかなラブシーンも本当に素晴らしい。そして試合のシーンも一つ一つの試合ごとに違った柔道の技、間合い、構図やカット割りなど工夫に工夫を重ねる黒澤明監督の姿が頭に浮かびます。出演者たちも藤田進さんはもちろん、闇討ちシーンのアクションが見事な矢野正五郎役の大河内伝次郎さん、まさに女神ともいうべき轟夕起子さん、源之助役月形龍之介さんの悪役ぶりも最高‼️初公開当時、この黒澤明監督のデビュー作を観た小津安二郎監督の言葉 "100点満点として黒澤くん、120点だよ"。胸が熱くなりますね‼️
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