「最初は訳わからず憤慨するも、ナウシカ漫画版を熟読することで宮崎言語を理解し、千と千尋も受容できるように」千と千尋の神隠し resuwisshu311さんの映画レビュー(感想・評価)
最初は訳わからず憤慨するも、ナウシカ漫画版を熟読することで宮崎言語を理解し、千と千尋も受容できるように
ストーリーに関してはタイトルに書いてあることが全てだが、初見時は全然理解できず「何でこれが大ヒットなんだ!!」と怒りまくったものだ。
しかし、これも不満に感じていた映画版ナウシカの漫画完全版を読破しショックを受け、何度か読み直し「宮崎言語」を深く理解した後に、千と千尋を見直し「そういうことだったのか・・・」と納得出来た次第。
とはいえ、説明不足と感ずる場面も少なくなく、カオナシの起源、ゆばあば双子姉妹の仲たがい経緯、はくがどうやって湯婆ば姉からハンコを盗んだか、など盛り込まれていれば、初見時でもある程度納得できたかもと思わないわけではない。
だから3時間、少なくとも2時間半あれば必要な要素は全て詰め込むことができたんじゃないかと悔やまれる。
そんなネガ点があってもなおこの作品を何度も見たくなるのは、好きな場面が多く散りばめられているから。
まず、古いトンネルの建物を抜けた後に広がる丘と草原と空の「スコーンと抜けた広がり」の感覚。
その丘と草原がなぜか妖怪(神々)が渡ってくる海原となる場面など、ハートをわしづかみにさせられる「絵」が満ちている。
それだけで充足感が得られるのだから大した映像作品だと認めないわけにはいかない。
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