「何度観ても良さがわからん」千と千尋の神隠し pipiさんの映画レビュー(感想・評価)
何度観ても良さがわからん
宮﨑アニメ&ジブリ映画自体、基本的にあまり好きではないが、良さは謙虚に評価・賛美したいと思っている。
しかして、本作だけはまったく良さがわからない。
何故、これだけ日本中で、いやさ世界中で評価が高いのか?
シカゴサンタイムズもニューヨークタイムズもロサンゼルスタイムズも読んだ。しかし、やはり具体的にどこを褒めているんだかさっぱりわからん。抽象的なフワッとした大絶賛ばかりだ。
しかし、どれだけ世間の評価が高くとも、私は感覚的に非常に強い嫌悪感を覚えてしまうのだ。
おそらくは、宮﨑監督自身が「非常にネガティブな動機」に掻き立てられて本作を創造しているからだろう、と推察する。
まず、千尋の両親の造形が嫌で嫌で堪らない。本作は「10歳前後の女児」を対象に創作されたそうだが、自分の両親をあのように描かれて喜ぶ子供がいるものだろうか?
いるとしたならば、相当な抑圧を親から受けているのだろうが、しかし10歳の子供というものはストックホルムシンドロームよろしく自分の親を心から愛したいと願っている健気な存在なのだ。
この両親のキャラ設定は、宮﨑氏が「今ドキの若い親」というイメージに対して描いている(いた)、年輩者としての上から目線の偏見に他ならないと強く思う。
湯屋に象徴される「世間の穢らしさと厳しさ」
客達に透けて見える資本主義や権威、従業員に重ねられている意志薄弱、そういった様々な世相に対しての宮﨑氏の唾棄するかのような嫌悪感。
(また、女性の初潮に対して監督が抱いていると思われる、男性目線の過剰な価値観も不快感を禁じ得ない。)
一見、少女の逞しき成長譚&美談と思わせるような表面上の造りと裏腹に、監督の厭世観をひしひしと感じてしまう本作。そこに、堪らない嫌らしさを感じてしまうのだ。
本作を絶賛する人々こそが、監督の眼には「豚」だと映っているように思えてならない。
さて、20年の歳月を経て、10歳前後の少年少女が純粋に夢中になる鬼滅の刃がついに本作の日本歴代興行収入記録を抜いた。(鬼滅を大人が絶賛する現在の風潮もどうかとは思うが。10歳前後に人気がある理由は非常によくわかる。少年漫画とは斯くあるべき、と思う。)
今の宮﨑監督ならば、本作の事をどう振り返るのであろうか?
よく、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」と同カテゴライズされるようだが、断じて違う!と個人的には考える。
人生円熟期に入る宮﨑監督ならば、制作当時とは違った評価を本作に与えるのであろうか?是非、問うてみたいものである。
Mさん
コメントありがとうございます!
まず、絶賛感想の大多数は「凄い」とか「深い」という抽象的なものばかりで、これは普段からあまりメタファー慣れしていない方々が「この如何にも露骨な暗喩の固まり作品」の端々の意味に気付くたびにいちいち感動を覚えるものと思われます。
また、ごく少数慧眼の諸兄もおられるのですが、少々「少女」という存在に対して当時の宮崎氏のように過剰な価値観を付与しておられるように感じられまして、女性としてはちょっと違和感を覚えてしまうわけなのです。
まぁ、こういう作品が評価されやすいというのが「現状(現在?現時点?)での平均的人類の叡智の到達地点」という事なのかなぁ?と。物差しみたいな扱いで見ればよいのかもしれない、と。
悲観する現在であります。(苦笑)
私もこの映画が絶賛される理由はよくわかりません。「となりのトトロ」はかなり好きなのですが。
ただ、このサイトに限りませんが、いろいろな場面で、自分の正直な意見を書きにくい雰囲気を感じることは増えてきたように思います。(まあ、自分はわりと思ったことを書いてるつもりではありますが)
ひろきさん
このレビューにネガティブコメントを書く為だけにわざわざアカウント作成なさったのですか?
そりゃあご苦労様なことです。(笑)
〉まぁ、自分のわからないものを理解しようとしないなら、一生独りよがりな価値観を持ち続けるだけだわな。
レビュー本文を読んで「理解しようとしない」とお感じになったのですか?
(私の文章力が稚拙なのか、貴殿の読解力の問題なのかわかりかねますが)
・何度観ても→すでに2桁を超えて繰り返し鑑賞しています。
・シカゴサンタイムズも〜読んだ。→国内評価のみならず、海外の評価も目を通し「絶賛される理由」を知ろうとしています。
・今の宮﨑監督ならば〜問うてみたいものである。→好きになれない理由について推論し、論拠を述べた上で、宮﨑監督ご自身に伺ってみたいと考えています。
本作の良さを知りたく探求を続けているので、世界的大絶賛に値する部分は一体どこであるのか是非具体的にひろきさんに論じて頂きたいですね。ご教示心よりお待ちしております♪
公開時にテレビで宣伝してたのは、少女の成長物語、階段や竜の浮遊感、なんだかはぐらかされた感じがしています。
子供目線と大人目線では全く違うし、男女間の感想の差も・・・
やっぱり海外には特殊浴場がないってことが大きいかな。